5月6日のニューヨーク株式市場では一時的に1000ドル近く株価が急落しました。ギリシャの信用不安問題に加えて、大手金融機関による誤発注で株価が急激に下がった可能性が高いことが示唆されています。これを受けてNASDAQでは午後2時40分から午後3時までに60%以上の価格が変動した取引を無効にするという発表を行いました。
いったん、取引が成立しているものを後から無効にするようなことが行われて良いものなのか、少々気になります。株を安値で売ってしまって、損をしてしまった人が救われる一方で、株価を安値で購入できて儲けることが出来た人の取引も無効になってしまいます。このとき取引した投資家からどんな声が出ているのかが気になります。
日本では急激に株価が変動した場合、制限に引っかかって一定時間は約定しなくなったり、ストップ安水準まで達すると、その日の取引ではそれ以上は価格が下がらなくなったりする仕組みが導入されていますが、ニューヨーク株式市場ではこのような仕組みが無いようです。これは、「過度の投資家保護によって市場の育成を妨げるのはよくない」という考え方に基づいているようです。しかし、今回のように取引が成立した後に無効にするような投資家保護もどうなのだろう?と考えてしまうところではあります。
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