自動車教習所でも「クルマのライトは上向きが基本で、クルマの後を走行する場合や対向車がある場合はライトを下向きにする」と習います。しかし、都内で運転する限りはクルマのライトは下向きが基本になってしまいます。
ほとんどの場合が別のクルマの後を走ることになりますし、また対向車もひっきりなしに来ますので、ライトを上向きにしたとしてもすぐに下向きにしなければなりません。教習所で実際にクルマを乗るときにも、ハイビームにするように注意されることはありませんでした。
クルマの構造からしてみても、計器パネル上にはハイビームにしたときに警告灯がつくようになっています。やはり、クルマ自体もロービームが基本になっているような気がします。
茨城県警の調査
茨城県警の調査で今年の10月現在、夜間にクルマにはねられて亡くなった歩行者は31人で、その原因を調べたところ、うち12人は上向きライト(ハイビーム)にしていれば事故を防ぐことが出来た可能性があったそうです。
また、令和元年から令和5年の5年間における交通死亡事故の特徴を薄暮時間帯・夜間に分けて分析した結果、
- 日没時刻と重なる時間帯である17時台から19時台に最も多く発生している
- 薄暮時間帯における死亡事故は10月から12月にかけて最も多く発生している
- 薄暮時間帯や夜間については、自動車と歩行者が衝突する事故が最も多く4割以上を占めている
という結果が出ています。
上向きライトにすれば約100メートル先まで照射できるのに対して、下向きライトでは約40メートル先までしか照らすことが出来ないそうです。従って、スピードが出ていた場合には下向きライトでは発見して急ブレーキを踏んでも、スピードが出ていると止まりきれないケースが出てきます。
他にクルマが走っていないような道を走るときには、ハイビームにして、少しスピードを控えめにすることでずいぶん事故を防ぐことが出来るかもしれません。
最近、自宅近くの狭い道を走るときには、ハイビームにしてみています。もちろん、歩行者や対向車があった場合には、すぐにロービームに直します。確かにハイビームにして運転していると、非常に先まで照らし出すことが出来るので、運転していて安心出来ます。また、遠くの人からでもこちらのクルマを確認して貰えます。
タクシーに乗って深夜に家に帰るとき、運転手さんによっては同じように路地に入ってからはハイビームにして運転している人がいました。確かにそちらの方が安全なのでしょう。
今後は辺りが暗くなってきたら早めに点灯すること、そして対向車や前走車、歩行者などがいないときにはハイビームにしてみることを意識してみたいと思います。
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