消費電力が少なく(約15W)て高寿命(約10年)、しかも薄型化が可能なLEDを利用した信号機は万能だと思っていましたが、雪国では雪が信号機表面に付着すると視認性が悪くなるという苦情が出ているそうです。
信号機に付着した雪が溶けにくい
これは消費電力が少ないのとの裏返しになりますが、発生する熱量が従来の信号機に比較して少ないので、信号機表面に付着した雪が熱で溶けないのが原因だそうです。暫定的な対策としては警察官が長い棒を使って信号機の表面に付いた雪を落としているそうですが、これは相当に手間がかかって大変なことだと思います。
LED信号機の表面に雪がつかないように、レンズの表面に付いている凹凸をなくした信号機を開発したり、またレンズの内側に発熱シートを取り付けて、表面についた雪を溶かす装置の開発にとりかかっているそうです。ただ、こんな発熱シートを付けてしまったら、せっかくの消費電力が少ないという特長を打ち消してしまい、本末転倒という気も若干します。
雪が貯まっていることを検知したときだけ発熱シートに通電し雪を溶かすなど、何らかの技術で消費電力の問題も解決できると思いますので、早く効果的な方法が実用化されて雪国の信号機に採用されると良いと思います。
【2020/08/04追記】
カプセル型のカバーなどの工夫
やはりLED電球では発熱量が少ないので、吹雪などで電球表面に付いてしまった雪のために信号機の点灯状況を確認しにくくなる問題は今でも残っています。せっかくの省電力型のLED電球なので、ヒーターで温めるのはできれば避けたいところではあります。
富山県や秋田県などでは、カプセル型のカバーをつけて雪が付着しにくくするような工夫をしている自治体があるなど、それぞれの県警ごとにアイディアを実践しているようです。最近、フラットなタイプのLED信号機も登場していて、これならば雪が付着しにくいのではないかと思ったのですが、実際には雪が付着してしまうようで、単なる信号機の形状だけでの対策では難しいのかもしれません。
【2022/12/31追記】
LEDに転換が遅れまだ白熱球が1/3残存
白熱電球の製造が5年後に終わります。信号機については徐々にLED型への転換が進んでいますが、今でもなお1/3の信号機に白熱電球が残っています。
信号機に利用する白熱球は明るさや耐久性の条件があるため、その条件に合致するものは、パナソニックライティングデバイスと東芝ライテックの2社しか作っていません。この2社とも、2027年に受注を終了して2028年3月に生産を終了することにしています。
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