パナソニックとソニーが次世代テレビ技術の有力候補とされている有機EL技術開発で提携交渉を進めていることが報道されました。パナソニックとソニーと言えば、昔はビデオデッキの規格であるVHS対ベータ、ビデオディスクの規格であるVHD対LDなど、色々な場面で戦ってきたメーカーです。この両社が業務提携の道を模索しているというのは非常に興味深いことだと思います。
両社は各々で今までは技術開発を進めてきていますが、両社ともに昨年度は多額の赤字決算で大きな投資をするだけの余力はあまり残されていません。そこで少しでも投資リスクを減らして、各々の開発してきた技術を組み合わせて、外国と戦っていこうという狙いです。
ソニーは平成19年に11インチ画面、世界初の有機ELテレビを発売した実績があります。
値段が高かったため、爆発的に売れるということはありませんでしたが、商用化をした実績は大きいと思います。この11インチ画面の有機ELテレビは今では発売されていませんが、医療や放送業界といった業務用として25型の有機ELモニターを発売しています。また、パナソニックも水面下で安く生産することが出来る技術を開発していると言われています。
韓国のサムスン電子は55インチの有機ELテレビを発売することをすでに発表しています。日本勢については提携の交渉に時間をかけている余裕は無くなってきました。また、この報道が流れた翌日5月15日の朝には、それまで下げ続けていたソニーの株価が一時的に上昇する局面もありました。市場としてはパナソニックとソニーの協業について期待をしているように思えます。
AV Watchによれば、ソニーとパナソニックはそれぞれが「当社が発表したものではない」と説明しています。ただ、もしもこのような交渉の事実が無ければ、もっと否定的なコメントが発表されるはずなので、何らかの交渉が行われていることは間違えがないものと思われます。
この際なので、是非、日本のメーカーが手を組み、良い製品を開発することで、世界の市場をおさえて欲しいと願っています。
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