任天堂が4月26日に発表した2012年の3月期決算では、グループ連結で最終損益が432億円の赤字になりました。任天堂は1962年に上場されたしたが、それから50年の間、赤字に転落したことは、一度もありませんでした。
また、今後の業績見通しでは、2013年の3月期に最終損益は200億円と小幅な黒字を確保する程度の発表にとどめています。携帯型ゲーム機のニンテンドー3DSも大幅な値下げを発表してテコ入れを続けていましたが、これが原価削減の効果で新たな収益源になるものの効果は限定的な範囲にとどまってしまうという計画です。
任天堂が販売している商品の中で、主力と言えば、家庭用ゲーム機のWiiとポータブルゲーム機の3DSとなりますが、前者は前期比35%減、3DSは期初予想よりも15%減と、どちらも苦戦をしいられています。
今年の年末商戦に向けては、任天堂からはWir Uが発売される予定です。これが、どれだけの売り上げにつながるかに、今期の業績はかかっています。
一時期は電車の中でも、ニンテンドーDSを使っているお客さんをたくさん見ました。しかし、今ではほとんど見ることがなくなりました。今や、携帯電話に変わってスマホを使うことが一般的になり、このスマホ自体に色々なゲームアプリをダウンロードして楽しむことができるようになりました。
このスマホのゲームアプリは、無料であったり、有料であったとしても、非常に安い価格でインストールすることが出来ます。スマホのハード的な能力が拡充されてきたことで、ポータブルゲーム機と比較しても遜色ないゲームを楽しむことができるようになってきました。
さらには、iPadなどのタブレット端末を持っていれば、ポータブルゲーム専用機以上に大きな画面で楽しむことができるようになります。いつまでも、ゲーム専用機にこだわるのは厳しい局面に差し掛かっていると思います。
今後、どのような戦略で任天堂は戦うことになるのか、これからの動きが気になるところです。
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