
パソコンやプリンターなどの製造、販売を行っている日本HPでは東京生産にこだわっています。従来は、日本の人件費高を嫌って、海外に工場を移転する流れに歯止めがかからない状態でしたが、この日本HPの取り組みは実にユニークだと思います。このMADE IN TOKYOの取り組みは旧COMPAQ社、あきる野市の多摩事業所で1999年に始まりました。その後、COMPAQ社はHP社と合併して、日本HP昭島事業所へ移転しています。東京生産のパソコンには「MADE IN TOKYO」のシールが貼付されています。
2016年6月に昭島にあった工場は「日本HP東京ファクトリー&ロジスティクスパーク」(日野市)へ移転しています。

日本HPの公式サイトを見てみると、「ノートPCも東京生産」というページで、東京生産のメリットを高らかに宣伝していました。以下の三点がメリットになります。
(1) 納期が短い
フルカスタマイズでも注文をしてから5営業日以内に納品が可能になるそうです。
(2) 故障率の低減
製品輸送の時間や積み替え作業を最小限にできるので、輸送時の揺れや積み替え時の衝撃による初期不良、故障などの発生率を低減させることができます。
(3) 迅速なフィードバック
お客様からもらった製品への要望などを現場に迅速にフィードバックすることが出来ます。
日本HPでは、東京の昭島市というところに工場を持っていて、ここでPCの製造を実施しています。昭島市は東京都の中でも西の方にあたり、立川市と接したエリアになります。
また、HPの中でも、納品日を確定した状態で受注しているのは、日本だけなのだそうです。
また、中国のパソコンメーカーであるレノボも、この3月に法人向けパソコンの生産の一部を、中国から日本に移すことが報道されています。
レノボは東京ではなく、日本電気との合弁会社が持つ、山形にある工場で年内に生産をはじめるようです。
今まで、国外への工場移転の潮流がずっと続いていましたが、これから日本国内に製造拠点が戻ってくることになるのかもしれません。日本国内における雇用確保のためにも、是非、このHPやレノボのような取り組みは他の会社にも広がっていくと良いと思います。
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