今から100年前、1912年から1943年までの間、中央線のお茶の水駅と神田駅の間に万世橋駅というところがありました。この当時は万世橋駅はターミナル駅として機能していたようですが、中央線が東京駅まで延伸されたのをきっかけにそのターミナル駅としての機能を失い廃駅となりました。
交通博物館
その後、万世橋駅の遺構の一部も活用する形で交通博物館がこちらにありました。その交通博物館も2006年に閉館し、大宮の鉄道博物館にその機能が移転されています。
交通博物館の建物も今では取り壊されて、このエリアがどのような形で再利用されるのか気になっていたのですが、高架下のアーチ空間や万世橋駅のホームとして使われていた場所も含めて商業施設が展開されることが発表されました。2013年の夏に開業するそうです。
旧ホーム部には屋外デッキと展望カフェが設置されるほか、ホームに上がるための二箇所の階段も活用される形になるそうです。この付近は高架になっており、その壁はレンガ積みのアーチ作りになっています。こちらの高架下の空間は商業施設が出来ます。
さらには高架と接している神田川には親水デッキが新設されて、神田川を間近で見ることが出来るようになります。
万世橋駅はまだ交通博物館があったときに、ホームまで上る階段などが公開されたことがありました。
交通博物館が閉館したあとは、この万世橋駅の遺構を見ることが出来る機会はもう来ないものと思っていました。このような形で常時公開されることは、素晴らしいことだと思います。
万世橋交番
交通博物館のすぐそばのガード下に万世橋交番がありました。(ラジオガァデンの横です)
私が秋葉原や万世橋界隈を歩いていたときには朽ち果てた感じになってしまっていたのですが、歴史的建造物として価値があるため、現在は小金井公園内にある江戸東京たてもの園に移築、公開されています。
レンガ造りの万世橋駅は明治45年4月1日に開業しましたが、万世橋交番(須田町派出所)も駅に寄り添う形で同時期に建てられました。レンガ造りの平屋建て、鉄板葺き、外壁を化粧タイル張り、不等辺八角形という独特のスタイルです。
平成5年3月28日の江戸東京たてもの園開園にあわせ、平成4年末に大型トレーラーに積み込まれて移設されています。
【2013/08/26追記】
マーチエキュートの開業
マーチエキュート神田万世橋という名前で2013年9月14日にオープンすることが決定しました。こちらが公式サイトになります。
下記のように紹介されていました。
旧万世橋駅ホームへと上がる階段や、交通博物館時代の名残をはじめ、歴史的価値のある遺構を随所にご覧いただけます。また、遺構の魅力を活かした『マーチエキュート神田万世橋』には、「万世橋駅サロン」を開発コンセプトに掲げ、この空間に訪れる人々の知的好奇心を掻き立てるような、趣味性、嗜好性の高い常設ショップと期間限定ショップの計11ショップが集います。様々なフィールドの文化人の知に支えられ誕生する『マーチエキュート神田万世橋』。往時に栄えたサロンのように文化・情報・知・技術が集積され、それらの価値を発信する場を提供いたします。
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