日本テレビの報道を見ていると、高速ツアーバスが廃止の方向で国交省で検討されていることが紹介されていました。きっかけは4月に関越自動車道の藤岡ジャンクション付近で起こった高速バスの事故です。
この事故を受けて国交省が高速ツアーバスを運行している298もの会社に対して監査を実施したところ、8割を超える会社で常務時間を守らないといった法令上の違反が見つかったそうです。
また、7月31日からは新制度が開始されました。具体的には、旅行会社にもバスを運行するための国の許可をとらせることにしたそうです。さらには、旅行会社とバスを実際に運行する会社との間に別の会社が入って仲介することも原則として禁止することになりました。
こんな動きがある中、8月2日の午前4時過ぎに、東北自動車道で走行中の中型トラックに対して、後から走行してきた高速ツアーバスが追突する事故が発生しました。このバスは大阪の旅行会社が募集を行って千葉県成田市内の会社が運行した高速ツアーバスです。東京ディズニーリゾートから仙台に向けて運転手は一人で運行していました。
高速バスには高速ツアーバスと高速乗り合いバスの2種類があります。高速乗り合いバスは街中を走るバスと同じように、バスを保有して運行区間には停留所を設けることになります。
高速ツアーバスは特に停留所は無く、道路運送法の適用対象外、しかも運賃の設定などについては国への届け出が不要でした。停留所が無いため、たとえば始発となるターミナル駅では停留所の代わりに路上駐停車することもあり、渋滞の原因になったりすることでトラブルの引き金になったケースもあるようです。
そんな背景もあり、国交省では高速ツアーバスを高速乗り合いバスに移行する方向としています。
規制を緩和して業者間の競争を促すと、今回のように安全性が犠牲になったり、逆に規制を強化していくと業者間の競争が無くなり価格が高くなってしまったりするので、国がどの程度の関与をするのかそのさじ加減が難しいのではないかと思います。ただ、やはり安全にかかわる分野では多少、規制は強化した方が良いのかもしれない、そんなことを感じさせる出来事でした。
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