関越自動車道の起点は練馬インターチェンジです。なぜか、このインターチェンジは首都高速道路には直結しておらず、外環道を経由しないと首都高速に抜けることができません。少し、陸の孤島のようになってしまっています。
昭和時代の田中角栄元総理大臣の「東京・目白の家から新潟の生家まで3回曲がったら着く」という都市伝説がありますが、目白の自宅は目白通りに面しているので、一般道の目白通りで練馬インターに向かっていったということのようです。
また、首都高速などを経由せずに東名高速道路に出ようと思うと、環状八号線を通って、東京インターチェンジまで向かう形になりますが、この区間は本当によく渋滞してしまいます。非常に多くのクルマにとって、時間の無駄になってしまっていることと、環八周辺の環境に大きな負荷をかけてしまっています。
元々は、外環道は大泉ジャンクションから先も建設される予定があったのですが、残念ながら工事が開始されることはなく、いままで時間が過ぎてしまいました。その間に工事予定区間の都市開発が進んでしまい、また、地価も高騰しています。
もう工事が開始されることはないのかと思っていた、大泉と東名の間の区間ですが、とうとう着工を迎えることになりました。東京都は現在招致に向けた活動を進めている2020年のオリンピック開催までに完成を目指しているそうです。
確かに今のように交通が混乱している状況でオリンピックを誘致したらたいへんなことになってしまいます。これが開通すれば、関越自動車道、中央自動車道、東名高速道路が外環道で結ばれることになります。これにより、環八の渋滞が緩和されるとともに、首都高速の都心環状線などの渋滞がかなり減るのではないかと思います。
工事区間の距離は16.2Km、事業費は用地の取得費用も合わせて1兆2820億円です。途方もない金額のようにも思いますが、交通が円滑になるばかりではなく、雇用が創出されることから考えれば、意義がある事業なのだと思います。
1966年に都市計画が決定された時には、高架橋で建設される予定でしたが、その後はめまぐるしく市街地として開発が進んでしまったため、深さ40mよりも深い、地下トンネルの方式になりました。
この外環道は地上部分、大泉から東八道路までの区間にも道路を作る予定がありました。「外環ノ2」と呼ばれています。こちらについては、着工の目処はまったくたっていません。
【2024年10月30日追記】
2019年1月にシールドマシンによるトンネルの採掘が開始されました。
トンネルの採掘にあたって、つつじが丘のエリアで地表面に大きな陥没穴ができるという事故が発生しました。これに伴いトンネルの採掘を見合わせていたため、トンネル工事は大きく遅れています。
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