大学生のときに、「理科系の作文技術」という本は良い本だから是非読むと良いという話しを聞いてはいたのですが、今までとうとう読むことなく過ごしてきてしまいました。
ところが、会社で人の書いた文章をチェックしているとき、何となく読みにくい文書だということは判るのですが、具体的にどこを直せば読みやすい文章になるのかということが要点をついて指摘ができません。「これは体系的に良い文章とは何かについて勉強しなければいけない」と急に目覚めて、理科系の作文技術を読むことにしました。
私自身、理科系で物理の実験レポートを学生時代に山ほど書いていたので、ここで指摘されていることは最もだと頭の中によく入ります。もちろん、本が判りやすく書かれていることが頭に入っていきやすい最も大きな理由なのでしょう。
たとえば、事実と意見を区別するように、この本では指摘しています。システムのバグに関するレポートを読んでいるとき、どこまでが具体的に得られた事実で、どこからが推測なのかが判らないような文章をよく会社で目にします。
どこまでが事実でどこからが推測なのかが判らないと、大勢の人がミスジャッジをして、「何でだろう、何でだろう」と言って、余計なバグ解析に手間をかけてしまうようなことが本当に多くあります。集団で仕事をするときには、事実と意見をきちんと区別することは本当に大切なことだと思います。
また、文章を短くするようにこの本では薦めています。実はライフネット生命の公式サイトでも同じ話にこだわっているということをちょうど聴きました。
ライフネット生命では公式サイトの中で、読む人に訴えたい文章はできるだけ35文字以内になるように心がけているそうです。
今回はSI単位系の話しなど、今の仕事場ではあまり関係ない話しのところは流し読みをしました。本当に自分に必要なところだけを選んで読んでいっても、十分に得るものがある本です。
ただ、このブログの文章が読みやすくなったかというとそんなことは無さそうです。もう少し切磋琢磨しなければいけません。
読みやすい文章とは何か?ということに少し悩んだときには、この本は役に立つのではないかと思います。
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