千葉県の市川市に、客待ちや流しをほとんどしないで経営しているタクシー会社があると、日経ビジネスで紹介されていました。
通常のタクシー会社であれば、駅前のタクシー乗り場で長蛇の列を作って、お客さんを待っていたり、あてもなく、お客さんが乗りそうな道を流して、手をあげたお客さんを拾ったりして、売り上げをあげている印象があります。
しかし、これらは膨大な待ち時間があったり、流しているときは、その時間やガソリン代がやはり無駄になってしまっています。
この日経ビジネスで紹介されていたタクシー会社はなぜうまくいっているのかというと、たくさんの配車依頼が会社に舞い込んで来るのだそうです。とにかくお客様に対して親切にしていることが人気につながっています。市川市のムトータクシーという会社です。
ムトータクシーの公式サイトを見てみました。あまり、親切を全面的に出しているようなサイトではなく、どちらかというと、質素なホームページでした。ただ、サービス基準というページを見てみると、少し様子が違うことがわかります。接客フローでは、
・迎車でお客様宅に行き
・服装を正し笑顔で挨拶
・お客様をタクシーの座席までご案内
・タクシーのドアを丁寧に手でしめる
・雨の日は傘をさしてクルマへご案内する
・クルマの中では笑顔で挨拶、自己紹介をして目的地などを聞く
といった具合のフローになっています。
また、サービスのページでは、陣痛119番という仕組みもありました。事前に名前、住所、電話番号、搬入先住所、予定日などを登録しておけば、いざという時に病院まで連れて行ってくれるのだそうです。しかも登録料などは必要なく、タクシー料金も通常料金だと解説されていました。
お客さんからの意見のページをみてみると、
・墓参りのときに一緒に草をとってくれた
・時間により配車の都合がつかないことがある
・配車の予約ができる
などの声がありました。
日経ビジネスによれば、現在の社長はお父さんが創業した会社を継いだのだそうですが、当時はサービス業とは程遠い乗務員のマナーの悪さが目立ちました。
そこで、お客さんから来たクレームに対して、乗務員を集めて討論会を実施し、言いたい放題を言わせたことで会社に変化が現れました。上司からの押し付けではなく、乗務員たちが具体的に問題を認識していくことで、行動に変化が出ることが大切だという事例で、ムトータクシーの事例が扱われていました。
客待ちや流しの最中の時間をお客さんのサービスのために使うという意味では時間を有効に使っているわけで、こんな考え方もあるのかと参考になった記事でした。
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