インターネット通販でショッピングモールを中核として多角的に事業を展開している楽天が、兵庫県の川西市に新しい物流拠点を開設することを発表しました。2013年秋にオープンする予定です。
すでに楽天では、千葉県市川市に物流拠点を開設していますが、今度は西日本地区の物流を強化する形になります。
新物流拠点の床面積は7万7576平方メートルあるということですので、かなりの面積になります。
これがどれほどの大きさなのか比較するために、Amazonの市川市にある物流拠点の大きさを調べてみました。こちらは6万2300平方メートルなのだそうです。従って、このAmazonの倉庫よりも大きいことになります。
ここで一つ疑問がありました。楽天はAmazonと違って、ショッピングモールの運営主体なので、自らが商品の在庫を持つ必要はないはずです。個々のショップがちょくせつ、消費者に対して商品を送っているはずなのに、何で物流拠点な必要なのかということです。
なぜショッピングモールの楽天が倉庫を持つのか
これは別の記事を読んでいてわかりました。一つは、楽天ブックスの存在です。楽天ブックスでは各種の音楽メディア、DVD、書籍などを自分で在庫管理し発送をしています。
また、もう一つは、楽天24の存在です。楽天24では、楽天に出店している複数の店舗の商品を楽天が準備している拠点で在庫管理を実施し、一括して発送できる仕組みを整えています。
楽天は個々の店舗からバラバラに商品を購入すると、それぞれごとに送料がかかってしまい、消費者にとっては負担になっていました。ところが、この楽天24で扱われている商品であれば、そんな心配が解消されます。
今回の西日本地区への物流拠点の新設が、楽天本体で商品を在庫管理し、直接、消費者に商品を発送するビジネスモデルをこれからも強化していくという意志の現れなのでしょう。
【2024年6月3日追記】
楽天の物流網のその後
楽天は自前で物流網を構築する動きもありましたが、日本郵政との業務提携も受けて、自前配送を突如として打ち切る意思決定をしたりで、その方向性に混乱が生じていた時期がありました。
現在は楽天市場に出店している店舗からの配送も含めた、楽天スーパーロジスティクス(RSL)事業を展開しています。
このRSLでは、楽天が店舗に代わり、商品の入荷作業、保管、配送までの物流業務を一括して行いますので、店舗は商品企画や販売促進といった店舗として実施しなければいけないコアな業務に集中できるようになるというのがセールポイントです。
コメント