読売新聞の一面にドコモが新OSの導入を検討しているという記事がありました。iPhoneを取り扱っていないことに起因して、他の携帯電話会社への流出が続き、ついに純減にまでなってしまっているため、ドコモとしては何か新しい対策を取らなければいけません。
そんな中で、新しいOSというのはどういうことなのかと記事を読んで見ると、何でもSAMSUNGとIntelが開発を主導したOSで「Tizen(タイゼン)」という名前なのだそうです。あまり聞いたことが無いOSです。
Wikipediaに解説がありました。
androidと同じようにLinuxベースのOSです。
Android自体、事業者にとってみれば自由度の高いOSなので、これ以上、取り扱うOSの種類を増やすことに、docomoにとってどんな利益があるのか今ひとつよくわかりません。特にソフトウエアを開発する人にとってみれば、OSごとにアプリを作って公開しなければなりません。
さらに朝日新聞の記事を読んで見ると、タイゼンはウェブサイトを作る際に使う言語であるHTML5を利用することを前提に設計されていることが特徴だそうです。これが自由度が高さの拠り所になっているようなのですが、本当にそうなのでしょうか。どちらかというと、例えばアプリを公開するときに、既存のマーケット以外に独自のものを立ち上げることができるかどうかとかで閉鎖的か否かが気になるようにも思います。
たとえば、auはiPhoneやiPadに対してもスマートパスような仕組みを導入して、一定額を払い続ければアプリが使い放題のサービスを立ち上げたいと思っても、AppleのAppStoreではそのようなサービスを提供することは出来ません。また、ほかの手段でアプリを売買するマーケットを立ち上げることもできません。すべて、appleを介してしか取引ができないようになっています。唯一、WEBサービスについては提供することが出来るので、こちらでサービスを提供しています。一方でandroidは標準のマーケット以外でもアプリを提供することができるようになっています。
今回はサムスンとINTELが主導して開発したOSということですので、何となく、この二社にとって都合の良いOSになっているような気がします。本当にドコモにとって商売を展開しやすいプラットフォームになるのか否かは今後の情報次第のような気がします。
消費者にとってみれば、タイゼンを搭載したスマホが発売されたとしても、対応するアプリケーションが充実するまでは様子を見た方が良いかと思います。
(20130225追記)
auからはFirefox OSを搭載した端末が販売されることについてアナウンスがありました。Firefox OSはモバイルプラットフォームをある企業に独占化させないで、新しいWeb標準とすることを目標にしているそうです。
☆Firefox OS公式サイト
こちらのコンセプトも非常に興味深いものだと思いました。これからは、ノートパソコンからタブレット端末に主軸が移っていくのではないかと言われていますので、スマホやタブレット端末の基盤となるOSが何になるかは、各企業の生き残りをかけた厳しい戦いになります。今後の動きから目を離せなくなってきました。
(20130227追記)
NTTdocomoはTIZENを搭載したスマホを年内に発売することを発表しました。KDDIではFirefox OSを搭載した端末を発売することを発表したので、これでお互いが戦うことになります。
docomoが発売する端末は、SAMSUNG製となる予定で、まだ価格等の詳細は発表されていません。Android OSと棲み分けるために、TIZENを使った端末は中級価格帯の商品とすることが、日経で報じられていました。
【2013年7月25日 追記】
一時、TIZENの開発は事実上止まっているという報道がありました。しかし、その後の会見でdocomoはTIZENの開発については予定通りに進めていることを説明していました。どの報道が事実なのか判りにくくなって来ました。
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