小学校卒業式での校長先生による伊能忠敬の話しが良かった

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卒業式

 先日、小学校の卒業式に保護者として参加しました。自分が小学校を卒業するときの校長先生のお話しはなんだか長くて、早く終わらないかな?と思いながら聞いていた気がするのですが、いざ、今になって校長先生のお話しを聞くと、とても興味深い話しを聞くことができて、ハッとするようなこともあります。

 今まで聞いた校長先生のお話しの中で、最も心に残っているのは、伊能忠敬に関する話しです。伊能忠敬は江戸後期の測量学者として有名な人ですが、50歳で家業を長男に譲るまでは婿養子先の酒造の仕事をしていました。50歳で酒造業を卒業したあと、ここで隠居をするのかと思うとそんなおとはなく、幼い頃から興味を持っていたという天文学を勉強するためい江戸に出ました。今でこそ千葉の佐原から東京までは簡単に電車で行くことが出来ますが、当時は江戸に出るだけでも大変なことだったのではないかと思います。

 その上この年で、勉強をするために上京したというのは凄いことだと思います。そして、そこで勉強をした天文学の知識を活かして、伊能忠敬は蝦夷地や東日本など、すべて自費で測量を進めました。その後、九州、四国を含めた西日本の測量も進め、1815年2月19日にすべての測量を完了しました。忠敬は70歳になっていました。測量のために歩いた距離は4万キロにもおよび、地球を一周したことになります。

 いつまでも色々なことに興味を持ち、そして勉強をして知を深めていくことを校長先生は推奨していました。その後、この伊能忠敬の旧家や記念館も見学に行きました。

伊能忠敬の記念館に行ってきました

 当時の品物や地図などが展示されており、当時の様子を知ることが出来ました。

 そして、今回の校長先生のお話しは、この小学校における生活を振り返るとともに、「人に物事を伝える」ことの大切さを問うものでした。「言葉の力を育てていこう」というタイトルです。言葉一つで相手を力づけたり、傷つけたり、たった一言の言葉でも気持ちを込めて相手に伝えなければいけないという話しでした。高橋系吾さんの「その一言」という詩からも引用されていました。これも、自分の胸に手を当てて考えると痛んでくるような、とても良いお話でした。相手に伝える言葉はよく吟味しようと思います。

 校長先生は生徒を卒業式で見送るために、何を伝えれば良いか、本当によく考え抜かれているのだと思います。今回の校長先生のお話はビデオで録画しておいたのですが、3分ほどに密度の濃い話しが詰め込まれていて、ちょうど良い長さになっていました。小学生にも聞きやすかったのではないかと思います。

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