ソニーは4月11日に4Kテレビをはじめとする液晶テレビのラインナップを発表しました。各報道機関では主に4Kテレビに関して報道をしていましたが、日経新聞は12日に、4K以外のテレビに関するラインナップの特徴を記事にしていました。
今回の発表では全部で10モデルの発表がありました。その内訳は下記の通りです。
40インチ台 5モデル
50インチ台 3モデル
60インチ台 1モデル
30インチ台 1モデル
家電量販店の店頭で安売り競争にさらされている20インチ台のモデルについては、手を引いた形になっています。このサイズのテレビになると、あまりテレビの画質にこだわりがある層は少なく、とりあえず映るテレビが安く購入できれば良いというお客さんの比率が多くなってしまいます。このような市場であえてニッチな高画質テレビを販売するという戦略もあり得たかとは思いますが、今回はSONYは20インチ台の商品は出さないという選択をしました。同様に30インチ台のテレビは32インチのみに絞ったのは大胆だと思います。
さらには、ブラビアのラインナップから、テレビにハードディスクレコーダーやブルーレイレコーダーが一体化した商品をラインナップから外しました。今回のモデルでは外付けのハードディスクを接続すれば録画ができますが、あえて一体型を販売するメリットは無いと判断しました。やはり、一体型よりも、単体のブルーレイディスクレコーダーをテレビに接続した方が便利なことは間違えありませんので、この選択も共感できます。
製品モデルの大胆な絞り込みという点では、Appleの戦略が有名です。Think Simpleという書籍では、スティーブジョブズがAppleに復帰した際、乱立していたモデルを大胆に整理して、ノート、デスクトップ、そしてそれぞれで、消費者向け、プロ向け、すなわち2×2の4つに絞ったという事例が紹介されていました。
これにより、一つ一つのものにより丹念に良いものを作り上げて消費者の手に届けることに没頭できる環境を作ったということです。一見、消費者が欲しいと言っていることに合わせて製品ラインナップを増やしてしまいがちなのですが、実は消費者にもわかっていない何かがあるかもしれない。それをAppleは創造して消費者の手に届けました。
SONYについても、今回は
・高精細で豊かな色彩を実現する高画質性能
・豊かで聞き取りやすい高音質性能
・ネットワーク機能
・機器連携によるスマート機能
などが、ニュースリリースでは特長としてあげられていました。
単にモデルを削減しただけではなく、これらの特長で他社を凌駕するような出来栄えになっていれば、モデルを削減したことは成功なのかもしれません。
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