銚子電鉄の経営危機

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ITMediaニュースをみていると、銚子電鉄が経営危機に陥っていて、もしかすると運行にも支障が生じるかもしれないという記事がありました。

実は銚子電鉄は以前にも経営を継続する事が困難になった時期があります。2006年11月に車両の法定検査を受ける資金が準備できずに、そのままでは車両を運行できなくなる事態になりました。

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ぬれ煎餅

このとき、銚子電鉄の公式サイトで、ぬれ煎餅の販売などを通じた資金協力を募り、これがネット上で大変話題になったことから、なんとか経営が継続できる状況にまで持ち直しました。

ところが、2011年の東日本大震災、および福島原発事故に伴う観光客の激減の影響を受けて、平成23年度は約9000万円の赤字決算となってしまいました。

平成23年度の売り上げは4億2000万円でしたが、このうち鉄道事業が8400万円、ぬれ煎餅などの販売が3億3600万円だったそうです。いかに、鉄道以外の収益が経営を、支えているかがわかります。

また、この8月には老朽化した車両を買い換えなければなりませんが、その資金を準備することができません。今年の3月までは、線路や車両などのインフラの維持管理を市などが行って、銚子電鉄は従来通りに車両の運行を行う案の検討が進んでいましたが、この案を提唱していた市長が4月の市長選で落選したことにより、支援の話しは白紙に戻ってしまいました。

信号機や変電所も今後更新していかなくてはいけないため、今後5,6年で全部で約6億円が必要になってしまうそうです。なかなか、これだけの負担を支援するのは難しいことかもしれません。

銚子電鉄自体は銚子と外川をを結ぶ6.4キロの鉄道です。地元の人の利用だけでは限界があるので、やはり観光客の誘致が重要なのだと思います。

昔、和歌山にある御坊臨港鉄道という会社が経営危機に陥った際に、「鉄道会社の不動産部門」という信用力がほしいがために、東京の不動産会社が1億円で買収し名前を紀州鉄道としました。今でもこの会社は不動産を事業の主体としつつ、鉄道の運行も続けています。ちなみに鉄道の運行は100円を稼ぐために367.8円の経費がかかる赤字だそうです。ただ、鉄道会社の不動産部門という信用を得るためにこの運行は今後も続けて行くのでしょう。

この紀州鉄道のような例の企業による買収があれば、また事態は大きく展開するのではないかと思います。

再度の経営危機

今回の新型コロナウイルスに伴う外出自粛の影響で、また銚子電鉄に経営危機に陥っています。今回は危機を乗り越えるために、売れるものはなんでも売るという姿勢で取り組んでいて、線路に敷き詰められている石(バラスト)までもが商品になっています。一缶550円です。

銚子電鉄、えちごトキめき鉄道、真岡鉄道の三社セットは1650円です。

【2021/05/02追記】

新型コロナウイルス感染拡大防止のために増便!

このゴールデンウイークの5月1日から4日にかけては、新型コロナウイルスの感染予防および利便性向上のために、午後の時間帯に臨時列車として4往復を増便することが発表されて話題になっています。

実はこの電車、銚子電鉄の社長さん自らが運転をします。東京では減便をしたがために一部の電車が非常に混雑していて密になってしまっています。銚子電鉄の英断にエールを贈りたいです。

【2022/07/06追記】

ぬれ煎餅やまずい棒が貢献し黒字化

銚子電鉄は7月5日で創業99周年を迎えました。そして、6年ぶりに黒字化を達成したことが報じられていました。売り上げの内訳は鉄道部門が7800万円、副業部門が4億5000万円となっていて、ぬれ煎餅やまずい棒が好調なのだそうです。

また、利益は21万円の黒字ということで、本当に良かったです。

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