産業競争力会議で猪瀬東京都知事が日本の標準時間を2時間前倒しをする案を提案したことが、マスコミなどで話題になっていました。
一日を有効に使うために、昼間の長い夏季期間にサマータイム制を導入するという議論は過去からありましたが、経済の活性化にむけて二時間前倒しするという話しは今まで聞いたことがありませんでした。
なぜ、2時間前倒しにすると経済が活性化するかというと、世界の中で最も早く証券取引所における売買が開始できるようになるためです。
また、東京、ニューヨーク、ロンドンでちょうど24時間を3分割できるようになることも、東京証券取引所にお金が集まりやすくなるメリットの一つだとしています。
ただ、朝7時に起きていた人であれば、2時間前倒しだと朝5時に起きることになります。夏であれば外は明るいですが、冬は真っ暗です。北国ではとても2時間前倒しで生活をすることは難しいのではないかと思います。
また、日本のサラリーマンは働きすぎと言われており、総労働時間を減らすことに向けて動いています。もしも、2時間前倒しになったら、今の時間で3時過ぎが定時ということになります。
やりかけの作業を残して、日が高いうちに日本人が帰ることができるかといえば、難しいと思います。確実に総労働時間は増える方向に向かうでしょう。
ある会社では、朝8時30分が始業時間だったものを、朝9時30分に1時間後ろ倒しにすることで、残業時間を抑制できたという話しも聞いたことがあります。2時間前倒しは相当の逆効果になるのではないでしょうか。
日本の証券取引所は午前9時から午後3時までの6時間しか開いていません。しかも、そのうちの1時間はお昼休みです。こんな20年以上前の銀行のようなお役所的発想で運営されているから、そもそも世界から相手にされなくなるのではないかと思います。
例えば、ロンドンであれば、午前8時から午後4時30分が立ち会い時間です。日本の標準時間を変えるなどという全国民に影響が出るような提案をする以前に、日本の経済を活性化するために東京証券取引所がやらなければいけないことは、あるのではないかと思います。
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