1981年から2001年にかけて、米国ゼネラル・エレクトリック社の最高経営責任者を務めたジャック・ウェルチの「わが経営」という本を読みました。上巻と下巻に分かれており、かなりボリュームのある本です。
この20年間にゼネラル・エレクトリック社が特に力を入れたことは下記の四点です。
・グローバル化
・サービス
・シックスシグマ
・Eビジネス
この四点については、ページをさいて考えが整理されているので、ここに興味がある場合は参考になるところがあるかもしれません。
本の中では、ジャック・ウェルチの最高経営責任者就任のときの様子、幼少期の振り返り、ゼネラル・エレクトリック社に入社してからの取り組みなどが紹介されています。
また、社長に就任してからの様々な意思決定の背景や心理状態などについて触れられていました。
とにかく、書かれているエピソードについては、何十億ドルといった、とてもスケールの大きい話しが多いです。ただ、その背景では打算的な判断だけでは無く、人に着目した判断がなされているところが数多くあり、今まで漠然と感じていた米国の経営手法を見直すきっかけにもなりました。
また、M&Aで買収した企業とのシナジーをどのように効かせて、どのように事業を発展させるかについても色々と考えた経緯が書かれています。例えば、テレビ放送局のNBCの話しです。ジャック・ウェルチ自身はもちろんテレビ放送についてのノウハウが豊富にあるわけではありません。よく人からもそう言われたと書かれていますが、そのときジャック・ウェルチは、経営資源、つまり人材と資金を配分することが自分の仕事だと答えていたそうです。
確かにゼネラル・エレクトリック社ほど大きな会社になると、最高経営責任者が全事業について熟知することは最早不可能です。経営とは何かを考えさせる言葉だと思いました。
【2020/03/03追記】
ジャック・ウェルチ氏が腎不全のため84歳で亡くなりました。選択と集中を掲げ、事業の多角化と大規模なリストラで在職中にGE社の株価を30倍に引き上げた世界の経営者の手本、特に金融事業の拡大を目指し日本では消費者金融のレイクや東邦生命保険の事業を引き継いだと新聞記事では紹介されていました。
コメント