Cnet Japanの記事に「自動車用アプリ市場 期待される成長と新たなプラットフォーム戦争への懸念」という記事がありました。
iPhoneやAndroidにアプリケーションを売るマーケットがあるのであれば、自動車にもあっても良いのではないかという発想で、いくつかの自動車メーカーは考えているようです。
しかし、正直、日本の市場を見ていると、新車購入時に同時に購入するような内蔵型タイプのカーナビの価格が高すぎます。20万円前後の価格など、今となってはあり得ません。新車を購入するときは、クルマ自体の価格が高いので、カーナビの価格が高くても隠れがちになりますが、冷静に考えれば考えるほど高いです。
今から5年以上前、スマホやタブレットが無かった時代には、インダッシュのナビと比較できるものは、ポータブルタイプのナビ程度しかありませんでした。当時のポータブルタイプのナビとインダッシュナビを比較すると、明らかにインダッシュナビの方が高機能でしたので、20万円以上の価格で販売されるのも有りだったと思います。
ポータブルナビの性能
ところが、現在では3万円程度のポータブルナビでも、道案内用途では十分な性能を有しています。さらには、スマホやタブレットのナビアプリが驚くべき進化を遂げています。
自動車メーカーとしては、自動車専用のプラットフォームを作って、アプリなどの販売を通して美味しいビジネスモデルを作りたいと思っているのだと思いますが、消費者の目からみれば、スマホやタブレットと同じプラットフォームを使うのが当然だと思います。今ならば、iOSかAndroidの選択になると思います。
また、インダッシュの専用カーナビという概念もそろそろやめて、取り外し可能なタブレット端末を搭載するか、スマホを接続できるようにした方が現実的でしょう。
クルマの中で細かい目的地の設定などの作業をするよりは、出発前に家の中や外出先のレストランの中で設定しておきたいと思っている人も多いのではないかと思います。
例えば、最近発表されたGarminのカーナビの発想は面白いと思います。スマホのカーナビ情報をフロントガラスに映し出してくれます。インダッシュナビは運転中の視点の移動量が多いのでとても危険ですが、フロントガラスへ情報が映し出されれば、視点の移動量は最小限で済みます。
自動車メーカーもナビで多くの利益を得ようという発想は捨てて、出来るだけオープンな規格を導入していかないと、今後は生き残れないのではないかと思います。
【2021年4月21日追記】
自動車のカーナビプラットフォームは従来から変化なし
この記事を公開してから8年が経過しますが、自動車に搭載するナビのプラットフォームは残念ながら旧来とあまり大きく変わっていません。AppleのCarPlayのようなソリューションもあり、また対応しているカーナビもありますが、高価なダッシュボードに入れるタイプになっています。
もっと安価でオープンなプラットフォームが広く普及することを期待してのですが道は険しそうです。
今後、電気自動車が一般的になってきそうな勢いがあります。このとき、日本の自動車メーカーは海外のメーカーと価格的に競うのが難しくなり、テレビなどと同様に海外メーカーにシェアを奪われていくのではないかと危惧されています。この変革の中でカーナビも安価なプラットフォームが一般的になるのかもしれません。
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