JR東海が9月18日に詳細な走行ルートと中間駅の設置場所を発表しました。東京(品川)と名古屋の間で、2027年の開業を目指しています。この区間の走行時間は最速で約40分とされています。距離は約286kmです。
東京駅から高尾駅まで中央線の特別快速で行くのに約1時間かかるのですが、それよりも早く名古屋に着いてしまいます。その速さには、ただただ驚くばかりです。
中間駅については各県に一箇所ずつ設置するのが原則で、下記の駅が予定されています。
- 東京(品川)駅 地下駅
- JR橋本駅付近(神奈川県) 地下駅
- 甲府市大津町付近(山梨県) 地上駅
- 飯田市上郷飯沼付近(長野県) 地上駅
- 中津川市千旦林付近(岐阜県)地上駅
- 名古屋駅(愛知県) 地下駅
通常の鉄道は街道筋などのお客さんがたくさん利用しやすい場所に通して乗降客を確保するのが通例です。
新幹線は大きな鉄道駅間を連絡するように作られています。しかし、リニアモーターカーについては、東京と名古屋の間をできるだけ最短距離で連絡するようにルートが選ばれました。
最短距離で結べばそれだけ早く目的地に着くだけではなく、建設費用も圧縮することが普通です。逆に各駅については、既存のJRの駅からは遠く離れているところも少なくありません。例えば、甲府市の新駅は現在の甲府駅から6km離れています。また、飯田市に設置される新駅は飯田線の元善光寺駅から1km離れています。新幹線の駅の中にも既存の駅から大きく離れているところがありますが、今となっても正直、周辺が栄えていない駅があることも事実です。今回のリニアモーターカー中間駅の周りが今後、どのような発展を遂げるのかが気になるところです。
また、都留市からさらに西に向かっていき、南アルプスをトンネルで抜けていく形になりますが、ここは難工事になることが想定されます。(【2024年9月10日追記】さらに静岡県知事の判断で静岡県を通る部分の工事許可が出なかったため、リニアモーターカーの開通時期は大きく遅れることになりました)
東京や神奈川などの宅地開発が進んでしまった地域もリニア新幹線は走ることになりますが、これらの地域は大深度地下と言われる地下40m以下の場所に敷設します。地上の用地買収や地権者への補償の必要性がないそうです。(とはいえ、外環道でも大深度地下で建設したトンネルの影響で、つつじが丘付近で陥没事故が発生しています。慎重な工事が求められます)
すでに、都留市の東西には実験線ができています。特に都留市から秋山方面に向かう道を走ると、この実験線のすぐ横を通る区間があります。磁界や騒音を防止するためのフードで覆われていますので、中がどうなっているのかがわからない点は残念です。実験線自体は施設も公開されていますが、前回行ったのは随分昔になってしまったので、ぜひ大月方面に行く機会があれば見学したいと思います。
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