J-CASTニュースにauが販売するiPhoneに関して興味深い記事がありました。
☆「au版iPhone」販売店でオプション「加入強制」 KDDIは「指示していない」と否定 (1/2) : J-CASTニュース
auでは、auショップや量販店などを通してアップルのiPhoneを販売していますが、これを購入しようとするとき、オプションを強制的に加入させられるのは、いわば常態化しています。
特にキャッシュバックなどの特典を同時に提供している場合に多いのではないでしょうか。オプションは必要ないと言うと、「必ず加入していただかなければなりません」、「一緒に加入いただけないと今回の条件では販売することができません」などという説明を受ける場合もあります。
家族のSoftBankのiPhone4を投げ売りされていたauのiPhone5にMNPで変えたのですが、この際も多額のキャッシュバック特典がついており、同時に色々なオプションへ強制的に加入させられました。
例えば、auスマートパスは当初は無料期間があり、この期間内に解約すれば課金はされないのですが、公式サイトで解約手続きをしようとすると、実に解約の仕方がわかりにくく難儀しました。他に同様な症状auビデオパス、うたパスといったサービスにも強制的な加入を求められました。
他に、強制加入の対象となったAppleCare+については、無料期間がなく、最初から料金を払わなければいけないという契約でした。こちらの解約はネットで調べると、電話での解約はできる場合とできない場合があるというわけがわからない状況でしたので、auショップに行って解約しました。
ほかには、au定額通話24、電話きほんパックなどのサービスにも強制加入させられました。
今回の場合、もしも解約を忘れて課金が始まったとすると、月額で2700円という高額な料金を支払い続けなければいけません。二年間で換算すると64800円です。一つ一つのサービスは月額数百円で対したことがないように見せておいて、実は6万円以上の高額なサービスを押し付けていることになります。
J-CASTニュースではKDDIの広報に電話で取材をしているのですが、下記のように返答があったそうです。
「スマホを使う際にアプリを楽しむ、また製品保証を充実させるといった観点からオプションを勧めていますが、販売店において加入が必須ではありません」
au販売店で常態的に実施されているオプションの強制加入に見て見ぬふりをしてこのような回答をしなければいけないKDDIの背景に何があるのか考えてみました。
独占禁止法で禁止されている抱き合わせ販売に抵触する恐れがあるからではないでしょうか。抱き合わせ販売とは、
ある商品の供給に併せて、他の商品を自己または自己の指定する事業者から購入させたり、自己または自己の指定する事業者と取引するよう強制すること
です。記事における取材のとおり、KDDIとしては指示を出してはいないのかもしれませんが、たとえ翌日に解約されたオプションに対してでもオプションの加入に対してインセンティブを販売店に払い、抱き合わせ販売が発生しやすい状態を作り出しているということかもしれません。
一見、消費者にとってみればiPhoneを安く購入できるから良いのではないかという見方もできますが、反面ではiPhone自体の価格がわかりにくい上に、いらないオプションを押し付けられた上に、解約を忘れると2年間で6万円以上の追加出費が発生するという消費者側のリスクがあります。
また、業界で言えば強制加入させられるサービスと同様のサービスを提供する会社の競争力を奪う結果にもなってしまいます。とても、残念なことだと思います。
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