日刊工業新聞に国道20号(甲州街道)の笹子トンネルが老朽化してきたことにより、新しい笹子トンネルを建設する方向で調査が開始されることが記事になっていました。
笹子トンネルとは?
この笹子トンネルは一般道のトンネルとしては比較的長い約3Kmの全長があり、開通したのが1958年なので、すでに建設されてから50年以上が経過しています。トンネル内のコンクリートにはひび割れが発生したり、換気設備が古くなったりで今までは補修工事を何度も繰り返してきましたが、老朽化がさらに進行したことで、今回の新トンネル着工の意志決定が行われました。もちろん、このトンネルよりも新しい中央道の笹子トンネルでの天井板落下事故による教訓も今回の意志決定につながっています。
現在の笹子トンネルは片側一車線の非常に狭いトンネルで、トンネル内に歩道や自転車が走るスペースもありません。非常時にクルマが転回することすらできないので、トンネル内の何箇所かに転回用のスペースが設置されています。トンネル内はとても暗くて狭いので通行にはいつも気を使います。ちょうど、秩父に行く国道299号線にある正丸トンネルと雰囲気が似ています。
そこで、現在の笹子トンネルよりもさらに西側に新しい笹子トンネルを作るようです。今度は高さ3.9メートルを超える高さ4,5メートルまでの車両でも通行できるようにするようなので、かなりトンネルの口径が大きくなるのでしょう。
2014年度に地質調査
2014年度にはまずは地質調査が5000万円の予算で行われます。この結果を受けて、全体の工費やスケジュールが決められることになります。現時点での荒い見積もりでは総工費が100億円から200億円、標準工程にあわせて考えると開通までの期間は10年と見積もられています。また、新しいトンネルまでのアクセス道路などには民間の土地もあるようですので、こちらの買収交渉などが必要になるそうです。
同じ甲州街道では未だに峠越えが残っている東京都と神奈川県の県境にある大垂水峠があります。こちらは峠の前後がヘアピンカーブになっていて、あまり積極的には通りたくない道です。そのため、どうしても並行する中央道に交通が集中してしまい、小仏トンネル付近が渋滞してしまいます。
また、なぜか、塩山から奥多摩、青梅の方に抜ける大菩薩ラインの山梨県側はどんどん高規格な道路に生まれ変わっていて、走りやすくなっているのに、甲州街道は勝沼から高尾山付近にかけては高規格な道路になる様子がなかなかありません。交通量は甲州街道の方が明らかに多いので、甲州街道の方が通行しやすくするための優先度が高いと思うのですが、どんな判断で行政が動いているのか気になるところです。
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