SankeiBIZを読んでいると、今まで高値が続いていた鰻が今年は安くなるかもしれないという記事がありました。今は本当に鰻が高くて、老舗の鰻屋さんで鰻重を食べようとすると3000円から5000円程度の価格がします。最近では吉野家や宇奈ととなど、1000円以下で鰻丼を食べられるようなお店でしか食べていません。
しかし、今年は冬から春にかけて取れる鰻の稚魚であるシラスウナギの漁獲量が大幅に回復したそうです。この稚魚が順調に成長してくれれば、鰻屋さんやスーパーで値段が大幅に下がる可能性があります。
シラスウナギはここ4年間は不良が続いていて、それまでは30トン近くあった漁獲高が12トンまで激減してしまっていました。従って、需要と供給のバランスが崩れて鰻の値段が高騰してしまいました。ところが今年は漁獲量が倍増したそうです。中国では約14倍の41トン、台湾や韓国などを含めると70トンを超える豊漁だそうです。
今のところはまだ鰻の価格は安くなっていませんが、早いものでは約半年で出荷できるようになるようです。冬から春にかけて豊漁だったシラスウナギが成長して出荷されるのは、7月よりも先ということになるので、あと2ヶ月程度で鰻の供給量が増えて値段が下がるかもしれません。ただ記事を読んでみると一部の卸業者が夏以降の値崩れに巻き込まれたくないため販売を急いでいることからスーパーの販売価格が一部で下がっているという情報も書かれています。
試しに楽天市場で検索してみましたが、170グラムが2本で税込6610円となっているので、あまり安くなっているような印象ではありません。ただ、一部のスーパーでは1匹1000円を切る中国産かば焼きが出てきているそうです。
以前は、「夏になったら鰻を食べて精力を付けないといけない!」という雰囲気がありましたが、もう4年間も鰻の価格が高騰して手軽に購入できる食べ物ではなくなってしまったため、鰻を食べる習慣自体が揺らいできているような気がします。もしも需要そのものが4年前以前と比較して減っているとすれば、より鰻の販売価格が安くなる可能性もあるかもしれません。もしかすると、この夏は例年に無いくらい鰻重が食べられるのではないかと、今から期待しています。
【2014/07/29追記】
7月も終わりに近づいてきました。今日は土用の丑の日です。気になる鰻の値段ですが残念ながら安くなっていません。日本テレビの朝の情報番組ZIPを見ていると、鰻の特集を組んでいましたが、この中でも鰻は去年と同じ金額か去年よりも若干値上げして販売されているという調査結果を報告していました。
完全養殖をするにはまだコストがかかりすぎるという問題もあるので、今は稚魚のシラスウナギがとれないとそのまま値段の高騰につながってしまいます。
鰻のかぶと焼き缶詰が300円弱で売られていて意外と美味しいという面白い記事もありました。
☆丑の日に300円で鰻を食べる! 缶詰『うなぎ かぶと焼 蒲焼』レビュー – 週アスPLUS
もし見つけたら購入してみようと思います。
【2014年8月7日追記】
プレジデントオンラインに面白い記事がありました。鰻の価格はたまたまバブルの時期だけ安かっただけで、それ以前は今と同じような価格だったそうです。
☆「うなぎ」はこのまま超高級品になってしまうのか | PRESIDENT Online – プレジデント
バブルの時期に安かったのは、シラスウナギを捕獲して養殖する技術が確立して、中国や台湾から安い鰻が大量に輸入されたことによります。
シラスウナギが乱獲されれば親の鰻の数が少なくなり、結果としてシラスウナギの漁獲量が減り、また現在は鰻が元の価格に戻ったという形になります。
今後は親の鰻を養殖して産卵させて、シラスウナギに育てて、さらにそのシラスウナギを養殖するという、完全養殖の技術が確立するまでは、なかなか値段は元には戻らないのかもしれません。
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