従来、飛行機に乗っている際は、離発着時に全ての電子機器について電源を切ることが義務付けられていました。
なぜ、電子機器の電源を切らなければいけないのか?、それは日本航空のサイトに詳しく解説されていました。
一つは飛行機のアンテナの存在です。パイロットが地上との連絡をするため無線を使います。また、飛行機が自分自身の位置を知るためにもアンテナを使います。機体の一番前から垂直尾翼のてっぺんまで各所にアンテナが取り付けられているのだそうです。機内で電子機器を使うことにより、このアンテナで正確な受信を妨げられる可能性があることが理由の一つです。
もう一つは飛行機の機体やエンジンなどの状態をモニターするために機内にはたくさんの電気配線があります。機内で電子機器を利用することで磁界が発生し、この磁界が配線に届くとノイズの発生源になり正常なモニタリングができなくなってしまう可能性があることが理由の二つ目です。
しかし、携帯電話やスマホが発するノイズや電波も以前と比較すると技術の進歩で弱くなってきました。昔の製品は今とは使っている周波数帯も異なり、また大きなバッテリーを搭載し大きな電力を消費しながら強力な電波で送受信しないと安定した通話ができませんでした。しかし、今の機器は小型化されて消費電力も十分に小さくなり、ノイズの量も格段に減りました。従って、米国の航空当局は昨年の10月に「無視しても良い程度のもの」と判断を変更しました。
テレビ朝日のニュースによると、日本においても国土交通省が機内モードに設定することを条件として、この9月から航空機の離発着時にもスマートフォンなどの電子機器を使用することができるように規制を緩和する方針を固めたとのことです。これを受けて、日本航空や全日空も使用を解禁する方針なのだそうです。
iPhoneで機内モードの設定をするには、設定の中から選ぶか、下からコントロールパネルを引き出して設定するかのどちらかですが、大した手間はかからないので、機内モード限定という制限があったとしても利便性は随分高まります。
今まで、機内で電子機器を利用できる時間はかなり限られていて、利便性が損なわれていましたが、今回の規制緩和によって空の旅の快適性もさらに上がるのではないかと期待できます。
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