井の頭公園で絶滅したはずの植物(シャジクモやヒロハノエビモ)が復活

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井の頭公園の桜

 2014年の1月から3月にかけて、東京都の三鷹市と武蔵野市にまたがっている井の頭公園では、「かいぼり」が実施されました。かいぼりとは、池の水を全部抜いて、池の底を乾かした後で、また元どおりに水を入れるという内容です。この、かいぼりと同時に、外来種の魚なども池から出して、池の中には日本古来の生き物だけにしました。

井の頭公園の池(雪)

 かいぼりで池の水を抜いていったときに見つかったのが大量の捨てられた自転車です。これも当然、全て池の中から出されました。七井橋の近くではショッピングカートなど、ありえないようなものも捨てられていました。

 また、水を戻した直後は水に多少の透明度があったので確かに少し綺麗になったのかな?と思っていたのですが、少し時間が経った後はまた透明度が悪くなっていったので、やっぱりそんなに効果はなかったのか?と思っていました。

 しかし、東邦大学の調査によると大きな効果があったようです。

眠りから覚めた水生植物 井の頭池の「かいぼり」で 絶滅種が復活 土壌シードバンクを活用

 この研究によると、すでに絶滅したと思われていた水生植物かわ復活したと言うのです。今回見つかったのは、シャジクモやヒロハノエビモなどです。東京都西部公園事務所や東邦大学理学部生命圏環境科学科、千葉県中央博物館のチームで確認しました。

 さらに井の頭池の底に溜まっていた泥を採取してその中に含まれる植物の種の発芽実験をしたところ、まだ井の頭池では復活していない植物も発芽をしたそうです。

井の頭公園の「かいぼり」

 2000年前の種が発芽した大賀ハスの例もありますので、植物の力には本当に驚かされます。井の頭池がまだ綺麗だったときに育っていた水生植物の種がずっと泥の中で発芽できるタイミングを待っていたのでしょう。種の状態なのに、どうやって発芽できるタイミングを探っているのか、非常に神秘的だと思います。

 井の頭池も以前はとても綺麗な水をたたえていたものの、周辺の宅地開発や舗装工事などの影響で湧出する地下水の量が減ってしまい、水質が悪化してしまいました。さらには、持ち込まれた外来種の繁殖でさらに生物の体系に影響を与えてしまいました。

 それが今回のかいぼりにより、少しでも水質が改善し、近年では池で見られなかった水生植物が見られるようになったことは素晴らしいことだと思います。また、さらに水質の改善が進めば、さらに希少な種類の植物が見られるようになる可能性も秘めています。

【2014年11月9日追記】

 井の頭公園を通ったので池の東側(井の頭公園駅に近い方)の池の中を見てみると、確かに以前と比べて透明度があがったように思います。池の西側に比べると東側の方が綺麗かもしれません。

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