この三連休はテレビ番組をつけると、いろいろな放送局で台風19号の接近に関して注意を促す番組を放送していました。
この中でひどいなと思ったのはJR西日本の対応です。10月13日の16時ごろから京阪神地区各路線のすべての列車の運転を取りやめてしまいました。
台風がまだ大きく大きな被害が出ると予測されていた前日から運休することを予告していたのですが、その後、台風の中心気圧は965ヘクトパスカル程度にまで弱くなってもなお、JR西日本は判断を変えずに本当に全ての列車の運行を止めてしまいました。
前日からそのような予定に組み替えてしまったの、運転手などの職員の都合もつかなくなってしまったのでしょう。
公式サイトの列車運行情報では下記のように表示されていました。
台風19号の接近に伴い、16時頃から終日、京阪神地区各路線のすべての列車の運転を取り止めさせていただきました。このため、大阪市営地下鉄・京都市営地下鉄のみで振替輸送を実施しています。
路線図も運休区間ばかりで真っ赤になってしまいました。
JR東海が運行する新幹線は同様の区間を通りますが、一部で遅れは出ているものの運転を継続しています。
16時49分頃より西日本山陽新幹線管内(徳山駅~新下関駅間)で強風により運転を見合わせた影響で、東海道新幹線では、山陽新幹線から直通する一部の上り列車に遅れが発生しています。
【運行状況:23時00分現在】
下り
東京駅~新大阪駅 概ね正常運転上り
新大阪駅~名古屋駅間走行中の列車 30分~40分程度の遅れ
名古屋駅~静岡駅間走行中の列車 40分程度の遅れ
静岡駅~東京駅間走行中の列車 5分~1時間程度の遅れ
周りの私鉄も運休するほどの被害が予測されるのならばJR西日本の判断も理解できますが、実はほかの私鉄は運行を継続していました。
たとえば、京阪電鉄については午後22時現在でも30分以上の遅れは発生せずに運行していました。
現在30分以上の遅れはございません。
「お知らせがございます」台風19号の接近に伴い、風雨が強まりますと列車の運転を休止する場合がございます。
あらかじめご了承いただきますよう、お願い申し上げます。
近鉄は特急列車の運休や間引き運転は実施しているものの、運行そのものは継続しています。
【近畿】台風19号接近による運転状況について
10月13日 22時30分現在
台風19号が接近しています。京都~奈良駅間、大阪難波駅~奈良駅間、大阪阿部野橋~吉野間で全ての特急列車が運休となります。19時30分頃から青山町から中川方面の運転を見合せしております。その他の列車についても運転本数を減らして運転いたします。あらかじめご了承ください。
阪神電車も30分以上の遅れなく、運転を継続していました。
ニュース番組ではJR西日本は私鉄と比べて運転する範囲も広く、被害を受ける可能性が高いため運行を取りやめていると解説していましたが、危険箇所をのぞいては運転を継続すべきだと思います。
実は東日本大震災のときにも、JR東日本は首都圏の電車の運転を中断し、早々に「その日の運転は実施しない」と発表し帰宅難民が多く発生しました。その上、駅のシャッターまで下ろしてしまったため、帰宅できない人が過ごす場所まで無くなってしまいました。消防署などの公共施設では、徒歩で帰宅する人のためにお手洗いを提供したり休憩できるスペースを提供するところも多くありましたが、このときのJR東日本の対応は社会的に大きな非難を受けることになりました。
当時のJR東日本の社長が、
「駅員の案内も不十分で大きな混乱を招いた。お客様におわび申し上げる」
「批判を真摯(しんし)に受け止め、非常時の対応を検討したい」
と謝罪しています。列車の走行を早々に取りやめてしまうのは、JRの体質なのでしょうか。
【2019/08/15追記】
また、台風10号が日本列島に接近してきています。JR西日本やJR四国は15日の運転は見合わせることを発表しました。いわゆる計画運休です。
しかし、2016年にこの記事を書いた時の気持ちとは少し変わってきていて、計画運休をした方がむしろ良いのではないかとも思えるようになってきました。
昭和の時代はモーレツ社員に代表されるように仕事漬けになっていましたが、平成、令和と時代が変わるのに伴って、危険は未然に防ぐものという意識も高まってきたと思います。また、働き方改革の意識の変化も後押ししているかもしれません。
計画運休をすれば無理な行動をする人も減って、それだけ国民の安全を守ることができるようになります。今回の計画運休については、避難を浴びることもないのではないかと思います。
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