自動車教習所に行くと、踏み切りの手前では一旦停止をして左右をよく見て列車が近づいていないことを目視確認するとともに、窓を少しだけ開けて、耳でも列車が近づいていないことを確認することを習います。しかし、踏切があるところでは、どうしてもクルマの流れが悪くなってしまい渋滞の発生原因になってしまいます。正直、踏み切りの遮断機も付いているような踏切で、本当にクルマは一旦停止をして左右確認や耳での確認までする必要があるのか、少し疑問に思っていました。
列車通過前に遮断機が上がるトラブル
ところが10月14日のYahoo!ニュースを見ていると、東急多摩川線の踏切で列車の通過前に遮断機の棒が突然あがるトラブルがあったあそうです。台風の強い風雨でレールに錆が生じて列車の接近を正しく検知できずに誤作動した可能性があるとのことでした。
踏切の構造として、故障したり誤検知が疑われるような場合にはフェイルセーフの設計がされていて遮断機は閉まったままになるものだと思っていたのですが、このように列車の通過前に遮断機が上がってしまうという致命的なトラブルが発生することもあることを改めて理解しました。
今回のトラブルは10月14日の午前5時15分頃に大田区西蒲田の矢口渡駅と蒲田駅間で発生しました。下がっていた遮断機が突然上がったあと、蒲田行きの3両編成の始発電車が踏切を通過しました。電車が頻繁に走っている時間帯であればレールの上の錆も落とされていくのだと思いますが、始発電車の前はしばらく列車が走っていなかったので錆が残ってしまったのでしょう。
運転手は遮断機が開いていることに気がついてブレーキをかけましたが間に合わずに、列車は踏切を80メートルほど行きすぎたところで止まりました。このとき踏切ではトラックが1台、列車の通過待ちをしていたそうです。遮断機が開いた瞬間にトラックが踏切内に進入しないで本当に良かったです。
踏切を渡るときには教習所の指導にならい、一旦停止、左右確認、音でも確認を励行が必要なことを再認識しました。
窓開けと道路交通法
自動車教習所では「踏切手前ではいったん停止し、左右の安全を確認するとともに、“窓を開け電車の音を確認”する」習います。運転免許技能試験実施基準を確認すると、踏切への進入時に左右の確認と窓を開けての音の確認を怠ると、「安全不確認」という扱いになります。このときは仮免検定、卒業検定では、10点の減点とかなり大きなペナルティです。
ところが道路交通法を紐解いてみると、第33条第1項「踏切の通過」は次のようになっています。
つまり、窓開けは規定されていないことになります。
しかし、もしも踏切で鉄道事故が発生してしまうと、単に自分や同乗者の命に限らず列車の乗務員や乗客の命にまで影響する大事故に発展する可能性があるので、念には念を入れるためにも窓開けを励行したほうが良いのだと思います。
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