三菱重工業とその子会社の三菱航空機が10月18日に国産初のジェット旅客機の試験機を公開しました。
現在、開発中のそのジェット機は三菱リージョナルジェットという名前で今回でほとんど試験機は完成しており、来年の4月から6月に初飛行を行う計画です。当初の計画からはすでに4年も遅れてしまいました。
その後、飛行テストなどを繰り返した上で、2017年4月から6月に量産型1号機をANAに納入する計画となっています。
こちらの飛行機は座席数は70から90となっていて、比較的、小ぶりな機体です。従って、国内線などの近距離路線で活躍する計画です。
飛行機産業は機体の研究、開発までで、たくさんの費用がかかるので、いかにその費用を回収できる機数を販売し商業ベースに乗せることができるかが勝負になります。今回も1800億円もの開発費がかかったそうです。
三菱MRJは従来の同型機に比較して燃費を2割向上しているということになっていますが、これが航空業界のニーズにどれだけマッチするかということになるのでしょう。このエンジンについては残念ながら日本の技術ではなく、米国のプラット アンド ホイットニー社製になります。
プロペラ機のYS11の登場から数えると、50年ぶりの国産旅客機です。
現在の受注は全日空が25機(うち確定しているのは15機)、米国のスカイウエストは200機(うち確定しているのは100機)、日本航空が32機などとなっており、全部で407機の受注を三菱では受けています。
ただ、これだけではまだまだ採算のベースにはのらずに、三菱航空機としては今後の小型ジェット機市場で見込まれる5000機の需要の中で、半分となる、2500機の受注を目指しています。国内の需要だけでは、もちろんこの目標は達成できませんので、いかに海外の市場に食い込むことができるかが鍵になるのでしょう。もしも、この飛行機が成功を収めることができれば、日本の旅客機開発に弾みがつくことになると思います。自動車のように一つの国家経済基盤を支える柱になってもらいたいと思います。今後が楽しみです。
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