ローランド社から1990年代にDTM用の音源モジュールとして、SC55シリーズやSC88シリーズなどを発売していました。当時のパソコンはとても非力で、ハードディスクですら20MB程度の小容量のものでも価格が高く、簡単には手が出せませんでした。
従って、パソコンを使って音楽を聴くとしても、いわゆるマルチメディアパソコンでCDを演奏するかMidiという形式のデータで音を出すのがせいぜいだったと思います。
Midiデータには、何の楽器をどう演奏しなさいという命令が書かれていて、音源がその命令に応じて音を出します。当時のパソコンに内蔵されていた音源は、ピーポーパーといった程度の音色のものから、多少は何の楽器の積もりかな?というのがわかる程度のものまでいるいろありました。
MIDIに関してはこちらのサイトの説明がわかりやすいです。
☆今さら聞けない、「MIDIって何?」「MIDIって古いの?」 : 藤本健の“DTMステーション”
そんな中で発売されたのがSC55シリーズ、そしてSC88シリーズです。
これをパソコンに接続してMIDIを演奏すると、楽器に近い音色で綺麗な音がします。当時は本当に素晴らしい音源だと思いました。私自身も、購入し使っていた時期があります。
その後、パソコンの性能が上がったことにより、MP3などで音楽を圧縮してパソコンのハードディスクに保存して、気軽に聞くことができるようになったことで、MIDIを使って音楽を聴くことはほとんどなくなりました。私自身もSC-88Proを手放しました。そして、もう10年以上にわたって、SC-88Proのことは忘れていたのですが、また最近のニュースで思い出すことになりました。
ローランドがiOS用のソフトウエアシンセサイザーアプリ「SOUND Canvas for iOS」を発売したのです。SC-88Proなどと互換性を備えた音色配列を搭載している点が特徴です。いわば、SC-88ProなどをiPhone上で再現することができることになります。しかも価格は税込2000円です。当時の販売価格と比べると、桁外れに安いです。
音色配列は次の4種類に対応しています。
・SC-8820
・SC-88Pro
・SC-88
・SC-55
さらに、「CM-64」「GM2」の音色配列のSMF再生に対応しています。
公式のニュースリリースを見ると、「データによっては音色の微妙なニュアンスの違い・音量バランス・発音タイミングが異なる場合があります」という注意書きもありました。
さらには、2月15日までの期間は、新発売の記念価格で1500円に値下げされています。また、画面はiPhone用と画面の大きいiPad用がそれぞれ準備されています。
すでにネット上ではかなりの話題になっています。Youtubeには動画もアップロードされてきていますので、どれだけ再現されているのか、チェックしていきたいと思います。
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