JR東日本から、中央線の東京駅と大月駅の間を走る通勤列車に二階建てのグリーン車を2両増結することを発表しました。現在、快速電車は10両編成で運転をしていますが、これが12両編成になります。グリーン車1両には90人の乗客が乗ることができます。二両増えれば180人もの定員が増えるので、混雑緩和にも良い影響があるのではないでしょうか。
グリーン車
通勤列車にグリーン車が増結されると聞くとなんだか不自然な感じもしますが、東海道線や横須賀線、高崎線、湘南新宿ラインなどの近距離区間ではすでに普通列車に昔からグリーン車が連結されています。今まで中央線は山手線や京浜東北線と同類に考えていましたが、確かにかなりの距離の区間を走っているのでグリーン車で快適に移動したいというお客さんも多い可能性があります。各路線ともグリーン車は利用しているお客さんも多いので、中央線でも人気が出るのではないかと思います。とくに立川以遠の青梅線、中央線各駅から都心に向かう通勤客にとっては、快適に通勤ができるようになりますので朗報です。
グリーン車というと値段がとても高いような印象がありますが、現在の平日事前購入時の料金は、50Kmまで770円です。今の「おはようライナー」などのライナー券は510円なので、グリーン車の方が少し値段が高いことになります。ただ、ライナーの本数は限られている上、停車駅以外からは乗ることができないので、グリーン車の利便性も高いと思います。
44の駅でホーム延長が必要
現在、中央線のほとんどの駅では10両までの電車しか停車することができません。従って、44の駅でホームの延長工事をしなければいけません。特に高円寺から吉祥寺駅までの間は高架の上に駅があるので、ホームを延長する工事はたいへんな工事になるのではないかと思います。ほかに車両基地でも対応が必要なようです。車両制作やホームの延長のために約750億円をかけるそうです。そして東京オリンピックが開催される2020年度までに導入される予定です。
【2017年3月24日追記】
計画遅延
本日の報道で中央線快速電車へのグリーン車導入計画が2020年度の導入予定から延期されることが記事となっています。グリーン車導入により12両編成となるのですが、駅のホームを延長する工事に想定以上の時間を要すること、江戸城の遺構調査など文化財保護対策に時間がかかること、お茶の水駅のバリアフリー工事と重なることが分かったためとされています。快速が停車する東京と大月の間、立川から青梅の間の各駅で12両編成に対応する必要があるため、今回の投資額は数百億円規模に上る大きな工事が予定されていました。
JRは五年遅れることはないとしていますが、かなり大きくサービスの提供時期が遅れることは間違えがないようです。
【2020/01/06追記】
阿佐ヶ谷駅のホーム延長工事
中央線の阿佐ケ谷駅、快速電車のホームで延長工事が始まったことが話題になっています。阿佐ケ谷駅ホームの八王子寄りの突端に鉄骨やコンクリートの平板が置かれています。すでに10メートルほどはホームが出来上がっていて、その先15メートルほどが骨格が組み上がっているとのことです。今度、同区間の電車に乗るとき観察してみたいと思います。
【2021年3月16日追記】
信号機故障と安心、安全
3月13日に武蔵小金井駅付近の落雷の影響で信号機故障が発生して、3時間あまりにあたって中央線快速電車が止まりました。落雷の影響で電車が止まることが中央線は本当に多いと思います。
一方で新型コロナウイルスの感染拡大の影響で電車で移動する人の数が減ってしまったために、ホームの長さを延長してまでしてグリーン車を増結することの意味がまったくなくなってきました。コロナの猛威がおさまったあともお客さんは電車に戻ってこないことを見越して、終電の繰り上げなども行われています。
今までホームの延長工事に行ってきた投資はなんのためだったのでしょう。これから災害の激甚化が危惧されるので、JR東日本は増収に向けた投資を打つよりも、ホームドアの設置や保安装置の二重化など、安心、安全に対する投資をもっと実施しなければいけないのではないかと思います。
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