先日、産経新聞の記事を見ていると、国土交通省がETCを搭載せずに高速道路や有料道路を通行する自動車に対して平成28年度にも通行料金を値上げする方向で検討を進めていることが紹介されていました。ETC搭載車と比較してETC非搭載車は料金を徴収するためのコストが5倍も多くかかっているのだそうです。料金所に人を配置しておかなければいけないのは確かにコストに影響するのでしょう。
ETCが登場しETCを普及させるまでの期間については、ETC搭載車の道路通行料金を割り引くという形で魅力を出して、ETCの普及推進をしました。最近では高速道路を走っていると、ほとんどのクルマはETCレーンに入っていきますので、かなりの割合でETC装置が搭載されたのではないかと思います。調査によると高速を走るクルマの9割がETC装置を搭載しているのだそうです。
一時はETC搭載車に対しては休日1000円という制度を2011年まで導入していましたが、この効果は大きかったのではないかと思います。その後、東日本大震災発生によりレジャーのための費用を税金から補填するのではなく災害対策に税金を回すようにするため、高速1000円は廃止されました。その後も、休日はETC搭載車は通行料金が半額になる制度などいくつかの特典を残していましたが、これも順次、割引率が減ってきています。
すでに首都高速ではETC車であれば走行距離に応じて普通車であれば510円から930円で変動するようになっています。しかし非ETC車であれば最初に930円を支払わなければなりません。人手で対応しなければいけないETC非搭載車には柔軟な料金制度は適用しにくいのでしょう。
ただ、ETC搭載を前提にするのであれば、まずは自動車業界に対して、ETC装置の搭載を義務化しないといけないのではないでしょうか。どうしても後付でETC装置を取り付けると、装置代金のほかに取り付け費用などがかかって、どうしても割高になってしまいます。これがもしも出荷時から標準装備されていればコストは大幅に削減できるのではないかと思います。
ETC2.0
また、国交省ではETC2.0という規格に搭載した装置の普及を促す対策もとるようです。安全運転や渋滞対策にメリットがあるようですが、今使っているETC装置でも有料道路でお金を払うという目的だけであれば、機能的に十分です。あまり新規格の装置を矢継ぎ早に発売するようなことは本当は避けて欲しいところです。
このETC2.0を使うと、経路情報収集が行われます。この経路情報を使って、経路別の料金優遇制度を実施しようと国では考えています。最近では、圏央道、外環道、首都高中央環状線ができあがってきて、従来の都心環状線とあわせて首都圏ではいろいろなルートを通って縦断することができるようになりました。この各ルートの渋滞発生を予測して交通の流れを分散させることを目的に、混雑するルートは高く、空いているルートは安くなるように料金が設定されます。また。事故や渋滞時には一般道におりて再び高速道路に誘導するプランも想定されています。
コメント