先日、アメリカ現地時間の6月8日に行われたWWDC2015はiPhoneやiPad上で走るアプリの開発者やマスコミなどをターゲットにしたイベントでした。近年、この場では新しいハードウェアよりも新しいiOSの発表をすることが通例になっています。今回もこの場でiOS9が発表されました。ベータ版とSDKは開発者向けにWWDCの日から公開されて、パブリックベータ版は7月にリリースされます。また、一般向けの公開は例年同様に秋が予定されています。
アップデートの対象機器は、iPhone4s以降、iPad2以降、iPod Touchは第五世代以降に対応しています。今回、iPhone4sがサポートされたことは異例のことだと思います。
今回のアップデートでは既存機能の改善と新規機能の追加の両面が行われています。
既存機能の改善
・アップデート時に必要となる容量の大幅な削減
iPhoneの空き容量が少ないと従来はOSのアップデートができませんでしたが、iOS9では空き容量が従来よりも少なくてもアップデートができるようになっているようです。4.5GBの空き容量が必要だったものが1GB程度に抑えられるようになっているようです。
・バッテリー持続時間の改善、省エネモードの搭載
今回のアップデートで通常の使い方であれば1時間は稼働時間がのびるとされています。さらに省電力モードにすると3時間も通常よりもバッテリーの持続時間が長くなるそうです。これは嬉しい機能です。
・セキュリティ面の強化
iOS9ではパスコードが従来の4桁から6桁に増えるとされています。また、従来は数字に限定されていましたが今度はアルファベットも使えます。
・Apple Payの進化
日本ではまだ使えない機能です。
・検索機能の強化
ホームスクリーン上からスポットライト検索をジェスチャー起動することができるようになりました。天気、スポーツの結果、YouTube動画、簡単な計算、祝日など多様なものが検索できるようになります。さらにAPIが提供されているので対応しているアプリであればアプリ内のコンテンツも検索できます。
新規機能の追加
・マルチタスク、画面分割機能
デバイス上で2つのアプリケーションを同時に操作することができるようになります。画面領域を2つに区切って両方のアプリケーションをアクティブにすることができます。どんな使い方ができるかというと、SafariでWeb閲覧をしている傍らでメモ帳アプリでメモを取るといった使い方ができます。なかなか、iPhoneでは画面が小さくて画面分割ができないと思いますので、iPadで有効に活用できる機能では内でしょうか。
・パーソナルアシスタント(Siri)の機能強化
質問に回答するまでの時間、回答の正確さがよくなりました。対応可能な質問も増強されています。
・プロアクティブアシスタント
利用者が続けて操作をする内容を覚えて、次の操作を予測してくれる機能です。どの程度、実用的にカスタマイズされているか気になる機能です。
・アップルミュージック(音楽ストリーミングサービス)開始
月額1000円あまりで音楽が聞き放題になるサービスです。
・ニュースキュレーションアプリの追加
ニューヨーク・タイムズなどの記事をシンプルに読むことができるアプリです。日本で言えばスマートニュースやGunosyのようなものでしょうか。乗換案内機能が使えるのは、ボルチモア、ニューヨーク、ベルリン、フィラデルフィア、シカゴ?サンフランシスコ、ロンドン、トロント、メキシコシティ、ワシントンなどで日本の都市は含まれていないようです。ゆくゆくの機能追加では対応してくれるでしょう。
・マップアプリに乗換案内機能を追加
従来よりグーグルマップには乗換案内機能が付いていたこと、Yahoo!のカーナビアプリが無償公開されていることから、私自身はあまり使わないかもしれません。
・メモアプリの刷新、拡張
下記の機能が追加されました。
・ツールバー
・書体を変えるUI
・todoチェックリスト
・指先で絵が描ける機能
・URLジャンプ
・サムネイル
・AndroidからiPhoneへの公式移行アプリ
この機能でアンドロイドユーザーがiPhoneに乗り換えてくれると嬉しいです。
秋にiOS9が公開されたらさっそくiPhone5sをアップデートしてみたいと思います。
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