NHKニュースの記事を読んでいると、その中にJR北海道は全区間が赤字になっているという記事がありました。
平成26年度の各区間ごとの収支に加えて、本社の人件費や広告費などと言った各路線と紐付かない間接費を加味して計算した値で評価されています。赤字の総額は400億円ということですので、企業として全く成り立っていないことがわかります。
比較的、収支は良好だと思っていた、函館線の函館駅と長万部駅の間でさえ、42億円あまりの赤字、同じく函館線の小樽と札幌の間ですら26億円あまりの赤字だというので、経営は相当厳しいのだと思います。
そのほかの区間の例として、根室線の帯広駅と釧路駅の間が32億円あまりの赤字です。
もともと、国鉄の分割民営化の際に、北海道を単独で分割して経営をどうやって成り立たせようとしていたのか、そもそものところすら気になります。
利便性を高めて利用促進を図る努力をすべきだという有識者の意見もあるようですが、人口の多い町が限られていて、移動にはクルマを使うことが一般的になっている状況下で、鉄道に人を呼び戻すのは相当厳しいことなのではないかと思います。
別の有識者からは大幅な赤字路線を抱える地域は鉄道の廃止を反対するだけでなく、なぜ鉄道が必要なのか考えないといけないという意見もあったようですが、函館線の小樽と札幌の間のようなところですら赤字である実情を直視したとき、本当にこの区間を廃止して良いのかというのは相当に疑問です。
北海道新幹線の開業で、また鉄道が見直される可能性はあるとは言え、やはり札幌や旭川、女満別、稚内などに行くときは普通の人は飛行機を使うのではないでしょうか。
これだけ大きな400億円という赤字になると、粗利益率10%の売り上げ4000億円の新規事業をJR北海道が成功させなければいけません。これも短期間にたやすく成功することは困難です。
国からの支援金などで何とか運営できたとしても、実質的に赤字の状況のままで無理に営業を続ければ安全確保が脅かされる危険性があります。
今一度、JR東日本と北海道の統合など、何らかの手だてを考えるべき時が来ているように思います。
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