今まで、スマホを実質的にゼロ円で販売するという手法が大手携帯キャリアで実施されてきましたが、そろそろ本当に終わりを迎えそうです。
実質ゼロ円とは5万円から10万円ほどするスマホの本体初期費用を月賦で二年に分けて販売する代わりに、月々の返済費用と同額の割引を行ってトータルで見ると無料でスマホの本体を手に入れたように見せる販売方法です。
利用者から見ると、スマホの本体がただで貰えたように錯覚しますが、実は月々の通話料やデータ通信料などでしっかりと携帯キャリアは費用を回収できる仕組みになっています。
実質ゼロ円とは別に「一括ゼロ円」というものも販売店によっては存在します。これはスマホ本体の料金を月賦の支払いにせず一括で販売して、販売店が得られる販売奨励金などの原資を使って本体料金を無料にしてしまう方法です。こちらは毎月の割引で利用料が安くなる上にスマホ本体の料金がかからないことになりますので、実質無料よりもお得です。MNPで他のキャリアに乗り換えたときにスマホの種類によって一括ゼロ円のキャンペーン対象になることがあります。私自身が現在使っているiPhone5sは二年前に一括ゼロ円で入手しました。
ただ、実質ゼロ円や一括ゼロ円と言った仕組みは携帯電話の利用料金を複雑にしてわかりにくくなってしまっています。また、同じキャリアをずっと使っている人(いわゆるお得意様)がスマホを機種変更するよりも、他社から乗り換えてくるお客さんの方がお得になってしまうケースが大半で批判の声も数多くあります。
また、スマホの料金自体もパケット定額で通話料などと合わせて一ヶ月7000円程度の価格になってしまっており、所得が伸び悩んでいる現在の状況で所得に占める割合が大きすぎます。そんなこともあり、総務省を始め是正の話が今までも出てきていました。
これらの状況に真っ先に対応しようとしているのが、NTTドコモです。先日開催されたドコモの第三四半期決算発表の場で『2月1日から0円以下での販売(いわゆる実質ゼロ円)は慎む』と明言しました。
実質ゼロ円による販売がなくなれば、スマホ本体の価格が表に見えるようになり、直接、財布に影響することが明白になります。格安スマホや格安SIMに乗り換える人も多いのではないかと思います。
今回の施策により市場がどのように動くのか気になるところです。
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