今のフルハイビジョンよりも綺麗な画質でテレビを楽しむことができる4K放送および8K放送の技術規格について次世代放送推進フォーラムで話し合われています。最近の報道を見ていると、とんでもない議論が行われていることが記事になっています。4K番組については録画ができないようにするべきだという意見があるそうです。
この録画をさせないようにすべきだと主張しているのは民放の五社です。できるだけテレビの機械の前で釘付けにさせて、コマーシャルも含めてきちんと見させようという狙いがあるのでしょう。
もはや私自身も、ほとんどテレビ放送をそのままで見ることはなくなりました。見たい番組を録画して、空いている時間にタイムシフトしてまとめて見ています。しかも、コマーシャルは飛ばしてしまい、本編も1.5倍速で見てしまうので、時間もずいぶん節約できます。
もしも、4kや8Kのテレビ放送でこんな制約を課してしまえば、ますますテレビ放送から消費者が離れていくのではないかと思います。今の若い世代もテレビ放送を見るよりも、インターネットで公開されている動画コンテンツを自分の見たい時間に選んで見る方法が一般化しています。
過去のテレビ放送もhuluやNetflixなどに加入していれば、見たいときに見たい部分を見ることができます。
民放自体、視聴者がテレビを見るライフスタイルの変化は気がついていて危機感を相当持っているからこそ、録画をさせないという大胆な案を出してくるのでしょう。
ただ、自社の利益のために社会のためにならないようなことをすれば確実にその業界は廃れていってしまいます。
実は同様な論争は家庭用ビデオが普及し始めたときに、ハリウッドの映画スタジオとソニーとの間で係争がありました。ソニーだけではなく録画機を宣伝した広告代理店や録画した番組を楽しんでいる視聴者までもが訴えられたそうです。この際は東洋経済の記事によると、無料で放送される番組を個人が私的利用の範囲で複製し放送時間外に楽しむことは著作権侵害にあたらないという結末になりました。
ただ、アナログ放送のときには録画をしていくうちに画質が劣化していきますが、デジタル放送になった今は録画を繰り返しても画質が劣化しにくくなっていっています。よりコンテンツを持っている側から見ると当時よりも慎重になっているところはあるのではないかと思います。こんなところから現在のコピーワンスやダビング10といった規制がかかりました。技術的には「録画禁止」にしてしまうことは今でも可能です。
無料放送を録画禁止にしてしまえば、消費者は有料や無料の動画サービスに今よりも流れていくのではないかと思います。そうすれば、無料放送からは広告主が離れていき、さらに廃れていくという悪循環になってしまうと思います。今と同様に4Kになったあとも録画はできるようにしてほしいと思います。
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