国際民間航空機関(ICAO)が2月22日に旅客機が貨物としてリチウムイオンを輸送することを4月1日以降に禁止することを発表しました。リチウムイオンはノートパソコンやスマホ、タブレット等、モバイル機器のバッテリーとしても利用されていますし、またモバイルバッテリーでも利用されているものです。
リチウムイオンバッテリーから発火や発煙する事故も発生しており、飛行機の中でそのような事故が発生することを防ぐための措置でもあります。このようにメジャーな商品でもありますので、「乗員・乗客の個人用電子機器のリチウムイオンバッテリーは除く」とされています。
従って、スマホやノートパソコンなどからバッテリーを取り外す必要はありません。問題はモバイルバッテリーです。今のところ、モバイルバッテリーに対してどのような制約がかかるのか調べてみても判りませんでした。航空会社それぞれの判断に委ねることになるという記載のある記事もありました。
国土交通省の基準
国土交通省のサイトを確認してみると、下記の基準が掲載されています。
100Wh以下であれば、機内持ち込みは可能で、預け入れはできないことになります。預け入れると、荷物に衝撃が加わることもあり、発火などの懸念があるためです。
ただ判らないのは、100Whという単位です。モバイルバッテリーはmAhという単位で性能が表示されています。簡単な返還式は下記のとおりです。
- mAh(電池の容量) を1,000で割り、5をかける
10,000mAhのバッテリーであれば、50Whということになりますので、機内持ち込みができます。あまり容量の大きすぎるものは、機内に持ち込もうとしても止められるかもしれませんので、ほどほどの容量の製品までにした方が良さそうです。
今後、4月1日が近づくにつれて、各航空会社から詳細な基準が公開される可能性もあります。飛行機に乗る前、荷物を準備する時点で詳細な基準がないか確認しておくことをお勧めします。
【2016/03/21追記】
飛行機内の炎上事故
最近、iPhone6のリチウムイオンバッテリーの原因により飛行機内で炎上事故が発生したそうです。
モバイル機器に内蔵されているバッテリーの容量も大型化する傾向があります。スマホを機内に持ち込むことが不可になる心配はまず無いのではないかと思いますが、モバイル機器を発火から守るためにはどうすれば良いのか、技術的な進歩に期待したいところです。
【2022/11/27追加】
保管していただけで発火
工具箱に入れて保管していただけのリチウムイオンバッテリーから発火したというツイートが話題になっています。
やはり、保管に際してもリチウムイオンバッテリーは危険という認識を持っていた方が良さそうです。
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