2016年3月26日の北海道新幹線開業は各所で大きく取り上げられていますが、その裏で青森と札幌の間で運転されている急行「はまなす」が廃止されることが決まっています。
実はこの急行「はまなす」はjrで残る最後の定期急行列車でした。したがって、「はまなす」の廃止はJRから定期的に運行される急行列車の絶滅を意味します。
昔は特急列車が走っている幹線では急行列車も合わせて走っていることが普通でした。また、急行列車だけが走っている区間もたくさんありました。
特急列車はやはり最速で目的地に到着し、車内もリクライニングシート、食堂車も完備して豪華なイメージがありました。
急行列車は4人掛けのクロスシートで座り心地はあまり良くなく、停車駅も多いので特急列車よりは遅いイメージです。その分、料金体系も安くなっていました。
特急と急行の関係については、同一路線を走るものでは例えば、中央本線であれば、特急「あずさ」と急行「アルプス」、上越線であれば特急「とき」と急行「佐渡」といった具合です。
その後、新幹線が充実してきて特急用の車両が転用できたこともありエル特急が各地で登場しました。特急列車に乗りやすくするために、特急列車の本数が大きく増えました。1時間に一本等のわかりやすいダイヤになり、特急を利用するお客さんの数も増えました。
中央本線であれば、特急「あずさ」の他に特急「かいじ」が登場しました。あずさは新宿と松本間を結ぶ長距離、かいじは新宿と甲府の間といった中距離を結ぶ色分けがされました。
一方で自家用車での移動も一般的になり高速バスも普及したことによって、昔からの急行列車に使われていたクロスシートの車両はだいぶ見劣りがするようになってきました。急行用の車両が新しく作られることもなく急行列車が衰退していく形になりました。昼間に走る定期急行列車は2009年まで岡山と津山の間を結んでいた急行「つやま」で終わりになりました。そして最後に残ったのが今回廃止される夜行の「はまなす」です。
私鉄では急行列車が走っている路線が数多くありますので、急行と言う言葉が無くなることはありませんが、JRから急行列車がなくなるのは、やはり時代の一つの転換点を感じます。
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