昨年来からの総務省の呼びかけにより、スマホの料金体系が見直されてきており、大手のキャリアによるスマホ本体の一括0円や実質0円といった、おかしな販売方法はなくなってきました。
やはり、この一括0円とか実質0円といった売り方はよく事情を知らない人にとっては騙されてしまうのでよくありません。0円のイメージが先行してしまうこととは裏腹に2年なりの縛り期間が発生して、トータルで支払う金額は高額になってしまいます。
また、実質0円については単に24ヶ月で分割支払いをするローンで本体を購入しているだけで、2年間の契約期間中に割引分を充当していくと本体が0円相当になるだけです。
格安SIMが利用できる端末を何か入手できないかと考えていた時も、家族からは「このチラシに実質0円って書いてあるよ」という声がかかったので、やっぱり料金体系が浸透していないようです。
なかなか実質0円と聞いて契約することで、ローンを組まされてしまっているイメージが消費者にはないのではないかと思います。もしも支払いの遅延などが発生すると、これから住宅ローンを借りるときに支障が出る可能性もあります。
このように不透明な実質0円という制度設計ですが、NTTドコモはまた3月25日に発表したiPhone SEでFOMAからXiに変更する際に増額分を含めると実質0円になってしまっていました。
さらに、3月29日の総務大臣による閣議後の記者会見でNTTドコモの実質0円を批判するコメントまで出てしまいました。総務省の4月から適用されるガイドラインでは「スマホの価格に相当するような行き過ぎた額とならない範囲で端末購入補助を行うことができる」としています。
今回、この料金体系に見直しを行って、実質負担額をトータルで648円とすることによって実質0円を回避する発表を行いました。ただ、実質648円としても何だかやすい印象を持ってしまうところとあり、いったいどうなのだろうという感じはします。
月々割のような分かり難い制度はやめて、大手キャリアも毎月の通信料や基本料金をもっと安くして、本体の料金は一括で買うか、ローンで買うかを選択するような一般的な表現にすれば、消費者にとって非常にわかりやすくなると思います。
ちょうど、格安SIMについては、このような商習慣に基づいて商売が行われています。通話時間が少ないならば、大手キャリアで実質0円の端末で契約するよりも、格安SIMの会社で本体と通信料を払ったほうがトータルでの支払い金額が安くなるパターンが相当数あります。
消費者にとって同じ土俵で料金を比較しやすい仕組みを整えて行ってほしいと思います。
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