ガソリン元売り各社による価格操作

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ヤフーニュースを見ていると、経済産業省がガソリン卸価格の操作に対する監視を強化するという報道がありました。

確かにガソリン価格については、都市部などのガソリンスタンドがひしめき合うような場所では値段が安いものの、地方のガソリンスタンドが一つしかないような場所ではガソリン価格が非常に高いです。

テレビなどで全国平均のガソリン価格が放送されますが、そこで紹介される価格と実際にガソリンを給油する際の価格に大きな差があったのでずっと違和感をもっていました。

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ガソリンスタンドの価格差の謎

今までは他方にガソリンを運ぶのにコストが必要なのかと思っていたのですが、考えてみれば港から遠い内陸の都市でも激しい価格競争が行われていますので、単に運搬費の問題ではないことは明らかです。

報道によると、石油の大手元売り会社5社は市場の実勢よりも高い価格で系列の給油所へ卸売した後、その後、競争が激しい一部の給油所へには個別に値引きに応じるという形で価格を操作していることが経済産業省の調査でわかったのだそうです。

それでは値引きを受けている給油所はどのくらいの割合のかが気になります。経済産業省ではそこも調査を実施しており、全国で約680の給油所で調査を実施して、その半数を超える51%の給油所でガソリンが納入された後に値引きを受けていたのだそうです。

また、給油所ごとの値引き額も調査しています。下記の通りです。

  • 値引き額が3円未満の給油所 31%
  • 値引き額が3円以上5円未満の給油所 15%
  • 値引き額が5円以上10円未満の給油所 4%
  • 値引き額が10円以上の給油所 1%

10円以上の値引きが行われているというのはかなりの率に相当するので驚きます。これでは競争の少ない地域で得た利益が競争の激しい地域の値引きの原資に回されてしまうということも発生しかねません。

まるで、同じ携帯電話料金会社を使い続ける人のお金が原資になって、携帯電話会社間をMNPで渡り歩く人に対する割引の原資に回されたのと同じようなことがガソリン業界でも起こっているのだなと感じました。

都市部のガソリンスタンドが競合している地域に住む消費者にとっては安い価格でガソリンを給油できることから行政がこのような調査を行わない限りはなかなか問題にならなかったと思います。ただ、競争が激しい地域で本来の卸値を下回るような価格で販売することが日常化してしまっているのだとすれば異常なことですので、有識者会議の結果なども踏まえた対策が必要になるものと思います。

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