ニュース記事を読み進んめいる中で、韓国のLGエレクトロニクスがドルビービジョンを搭載したテレビを展示会に出展したという報道がありました。
この中で気になったのは、ドルビービジョンという言葉です。ドルビーと言えば、今から40年ほど前でしょうか、カセットテープが全盛だった時期に、「サー」というヒスノイズを低減するために、カセットデッキに搭載されているシステムをドルビーと呼んでいました。この仕組み自体をライセンス提供していたのが、ドルビーという会社だったと思います。
原理は「サー」というヒスノイズがどちらかと言えば高音域に属しているので、カセットテープに録音するときに少し広域の音量を上げて録音して、再生するときにはそのぶん、高音域を下げて再生するという仕組みでした。高音域を下げた分だけヒスノイズが低減されることになります。
その後、dbxというシステムがカセットデッキに搭載されて、こちらは大きな音量の部分はそのままカセットテープに録音して小さな音量の部分は増幅してカセットテープに録音するという原理になっていました。
ヒスノイズは大きな音量の音楽では音楽の裏側に隠れてしまいますが、小さな音量の音楽では目立つという特徴を逆手にとった方式です。小さな音量の部分は音量を上げて録音した分だけ、再生時に音量を下げます。同時にヒスノイズの成分も下げられることになります。
その後、東芝からはアドレスというノイズリダクションシステムが搭載されたり、本家のドルビーからはドルビーCタイプという新しい規格が発表されたりもしました。
しかし、音楽の録音はiTunesでハードディスクにデジタル録音することが主流になった頃から、カセットテープのヒスノイズを心配する必要がなくなり、ドルビーの名前も映画館の音響効果以外の局面では見ることが無くなりました。
そんなところで見かけたのが、ドルビービジョンです。調べて見ると、これは音質を改善するものではなく、画質を改善するための規格でした。
驚異的な輝度、コントラスト、色彩を実現することで、生き生きとしたエンタテイメントを楽しむことができると公式サイトで紹介されています。
具体的には例えば輝度で言うと、ハイライトの部分はさらに明るく、暗いところはさらに暗くすることで、映像のダイナミックレンジがさらに上がるとのことでした。従来のテレビの40倍以上の輝度を表現することができるとあります。
さらに読み進んでいくと、「End-to-Endソリューション」という紹介がありました。コンテンツ制作から配信、再生のためのツールが含まれていると書かれています。とすると、ドルビービジョン対応のコンテンツで初めて実力が発揮できるのかもしれません。(さらに調べてみると撮影する時点からドルビービジョンに対応した機材を利用しなければいけないそうです)
なかなか、文章で読んでいてもその実力が分からないので、一度、量販店などの店頭で映像を確認してみたいと思います。
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