固定電話網については古くから交換機を用いたネットワークを中心に展開されてきました。
固定電話網の始まりは、物理的に回線を結線することにより発信者と受信者をつなげるところから始まります。電話の交換手が手で回線の切り替えを行い接続していました。
これがダイヤルした時のパルス音を電話交換機が検知して自動的に接続する方式に改められていきました。
その後、各家庭や企業に光ファイバーが張り巡らされるのに従って、電話局と事業所や家庭の間は固定電話がIP化されてきています。すでにVOIPルーターを設置している人も多いと思います。
旧型の交換機
一方で電話局と電話局の間については交換機を使った網が構築されています。この交換機で利用している部品が2025年の初頭には維持できなくなるという見通しがあります。
新しい交換機を開発してしまえば話しは早いのですが、もはや携帯電話などを利用する人の数も増えて、新たな交換機を開発してもなかなか割りが合わなくなってきています。
従って、ルーターなどのオープンな技術、汎用品を活用した方式に見直しをかけようとしています。2022年頃から固定電話の利用者に移行案内を実施し始めて、2024年にはIP電話に移行する計画です。
もともとは、今までの交換網からIP網に2020年から移行を開始して2025年に移行を完了させる想定でした。これに合わせて、2020年度の後半にはISDNサービスも終了させる計画でした。
しかし、ISDNサービスを利用している色々な業界から強い反発があり時期の見直しを実施するとともに、メタルIP電話を使うデータ通信サービスを用意することにしたのだそうです。
従って、基幹網がIP網に乗り換えた後も、各家庭や事業所までのメタル回線等は併用できるようです。
IP網への切り替えは日本全国にわたる大きな工事になるのではないかと思います。使われる機会が減ってきたとは言え、現在の電話交換網自体もインフラとしては大切なので、いかに安全に切り替えを実施するか、検討が進められるのではないかと思います。
コメント