長野県と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートには二箇所でトロリーバスが運行されています。そのうちの一つは関西電力が運行しているトロリーバスとなります。この関西電力のトロリーバスが電気バスに置き換えられることが発表されました。
トロリーバスは電気で走るバスですが、電気を蓄えたバッテリーで走る普通の電気バスとは異なり、架線からトロリーで電気を集電して走る仕組みになっています。
したがって、バスの免許ではなく、モノレールと同じ特殊鉄道と分類されて鉄道の免許をもって運転されます。トロリーバスは無軌条電車とも呼ばれます。
以前は都市部などでもトロリーバスは運転されていましたが、現在は立山黒部アルペンルートの2つの区間でしか走行していません。
今回、関西電力のトロリーバスが廃止されることで立山黒部観光が運転するトロリーバスのみになります。
関西電力トンネルは黒部ダムを建設する際に物資の輸送のために作られました。そして国立公園内ということもあり環境への配慮のためトロリーバスを使った営業をしています。ダムを建設した際にたくさんの作業車が通行した際に排気ガスが問題になったという経緯もあるようです。昭和30年代は現在ほどバッテリーの技術も進んでいなかったのでトロリーバスの方が有利だという判断があったのでしょう。
この関西電力のトロリーバスは立山連峰赤沢岳の直下をトンネルで貫いて、長野県大町市の扉沢から富山県立山町の黒部ダム駅まで6.1kmを16分で結んでいます。1964年8月から運転を開始して累計6000万人が乗車して現在は15台のトロリーバスが活躍しています。
現在運行されている車両は平成5年から平成8年にかけて導入されたものですでに20年程度使い続けてきたものになります。
今後、新たな車両に更新する際にトロリーバスから電気バスに変更することとされました。
Wikipediaによれば、導入が予定されている電気バスは車載のパンタグラフから急速充電でバッテリーに蓄電されて、現在使われているモーターの約2倍の出力を持つ三相同期電動機で走行するそうです。最高速度は現在のトロリーバスと同じ時速50kmとされています。
2019年4月からは同区間はこの新しい電気バスで運行されます。
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