日経ITProでタブレット市場に反転の動きがあることが紹介されていました。米国のアップル社がiPadを市場に投入したあと、2010年から3年から4年の間はかなり話題になっていたタブレットの市場ですが、その後は売り上げが落ち込んで、2014年からは3年連続で国内出荷台数が減少の方向になりました。私自身はNEXUSなどの安価な機種をこの時期に保有していました。iPadは値段が高いし、android機は魅力的な機種が少ない印象だったころです。NEXUSはandroidのリファレンス機ということで安心して購入できるほか、値段も1万円台と落ち着いていたのが、とても魅力的でした。
その後、2016年のふるさと納税で小田原市からiPad Proを謝礼品としてもらい、現在はこのiPadをメインで利用しています。
正直、iPadは従来使っていたAndroidタブレットとは別格で、さすがApple製品と思わせるものでした。今では単に動画を見たり、WEBブラウジングをしたりといった一般的なタブレットの使い方に加えて、パソコンの代わりに文章を打ち込んだりするのにも利用しています。iPadを使い始めてから、パソコンが登場する機会が一気に減りました。パソコンと比べるとすぐに起動できるので、気が向いたときにサッと使えるのは大きな魅力だと思います。さらには、豊富にそろったアプリケーションで、やりたいと思うことはパソコンよりも簡単にできる環境が整ってきました。先日、年賀状を作成して印刷するために、久しぶりにパソコンを本気で利用しましたが、iOS用の筆まめもあるようなので、プリンタの相性も問題なければ来年あたりはiPadで年賀状を作成しているかもしれません。
このようにタブレットも非常に便利に使うことができる環境が整ってきたこともあってか、2017年では売り上げが復活してきたようです。第三四半期は国内出荷台数が18.8%増になったとIDC Japanの調査で報告されています。この好調さを支えた大きな要因は通信事業者向けのモデルにあるようです。通信事業者がスマホと抱き合わせでタブレットを積極展開したことが売上復活の大きな要因だとされていました。携帯電話やスマホは国民一人一台ですでに浸透してきてしまっているので、携帯電話会社としては回線契約数をさらに伸ばすために、スマホとタブレットの一人2回戦契約という状況に持っていきたいのでしょう。私自身はiPadはWiFiモデルなので、スマホのBluetoothテザリングを使って外出先では通信をしています。インターネットに接続する際にひと手間増えてしまいますが、さほどの手間ではないので十分だと思います。
WiFiモデルのタブレットについては、売上が減少傾向になっていましたが、Apple社が安価なiPadを市場に投入したり、iPad Proの10.5インチモデルを市場に投入したことによって売り上げが下げ止まりつつあるようです。
消費者が私用で利用する場合、スマホでだいたいのことは出来てしまう環境が整ってきたので、タブレットの売上を飛躍的に伸ばすことは難しいことかもしれません。ITProの記事では「Always Connected PC」と呼ばれる米マイクロソフトWindowsを搭載した端末に注目をしていました。チップセットが変わって消費電力が少なくなり、フル充電でほぼ丸一日にわたって利用できるそうです。
このような技術的な進歩とともに、消費者がタブレットで新たな活用を魅力的だと思えるシーンを創造する必要があるように思います。タブレットで便利だと思っていた動画の視聴についても、自宅ではテレビにChromeCastやAmazon Fire Stickを接続することで、大画面テレビでインターネット動画を簡単に楽しめるようになりました。スマホをリモコン代わりに利用することもできるので、あえてタブレットで動画を見る必要もなくなってきています。私自身はKindle Unlimitedで雑誌をダウンロードして読む際にはiPadが便利だと思っていますが、雑誌という媒体自体もWEBに置き換えられつつあるので、将来的に有望なメディアではありません。とすると、スマホよりも少し大画面であるタブレットの特徴を活かした使い方として何があるのか、少々悩ましいところではあると思います。
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