東洋経済の記事を見ていると、「大雪時の間引き運転は逆効果」だとするライトレールの社長が執筆した記事がありました。
この記事、読んでいる中で違和感がありました。長野県での経験をもとに書かれているためです。
列車自体が走ることで雪をかき分けてくれるので、間引き運転をすると雪が積もってしまい、列車の運行に支障をきたすことになる、だから間引かない方が良いという主旨の記事でした。
ただ、長野県での経験をそのまま都市の列車に当てはめるのは無理があるような気がします。
長野と都市では列車の運行間隔が全く違います。都市の交通機関で日本に一本の列車を間引いても、長野県の運行間隔よりも短いのではないでしょうか。
二点目に、間引くことで列車が混雑して駅での停車時間が伸びて、さらに遅延が拡大するというものです。
一見、その通りにも思えるのですが、列車自体は徐行して運転することになるので、単位時間あたりに運べるお客さんの数は確実に減ります。さらに列車の運行密度を上げると駅間の所要時間はさらに伸びて、単位時間あたりに運べるお客さんの数はさらに減少するように思えます。
西成教授の渋滞学が有名ですが、車間距離は40メートル以上空けて走った方うになるという研究結果があります。が逆にスムーズに走ることができるよ道路にクルマを詰め込みすぎると、かえって渋滞するということです。そのメカニズムについては書籍「渋滞学」に譲りますが、列車についても普段ほどのスピードが出せない時には、詰め込みすぎるとかえって次の駅に着くのが遅くなるということが起こり得るということです。
制動距離が車よりもずっと大きい列車の場合はこの車間距離の適正値はいくらになるかということになります。
従って、一概に間引き運転は良くないと言えないのではないかと思い、この記事に違和感を感じた次第です。東洋経済の記事にはコメントが付けられるようになっているのですが、そのコメントを読んで見ると、やはり記事に違和感を持っている人が多いようでした。
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