IoTが話題になってから久しいですが、あらゆるモノがインターネットに接続されて、データが蓄積、処理されていくと、クラウド型のデータセンター事業者のハード需要が大幅に高まります。このような形で特に北米を中心としたクラウドの事業者がサーバー増設を急ピッチで進めているそうです。
これに伴い、半導体や電子部品の需要が高まり、価格も急騰しているという記事が日本経済新聞で紹介されていました。例えばDRAMの大口価格は2017年の年間で2割、NAND型で3割上昇しています。
さらに従来の磁気ディスクからSSDへのシフトも加速しており半導体の需要が高まっているほか、データのバックアップのために磁気テープの出荷量も増えているようです。
昔は事務処理などで人間が打ち込んだデータを記録するような用途で使っていたコンピューターシステムが、今後はモノが拾い上げたデータが自動的に収集されるようになるので、格段にデータ量が増えていきます。
IoTが進んでいるとは言っても、現時点ではそこまで色々なものがインターネットに接続されている状況ではありません。家の中を見渡しても、テレビ、BDレコーダーが新たにWiFiに接続された程度です。もしも、冷蔵庫、ガスレンジ、電気メーター、ドアホン、電子レンジ、湯沸かし器、エアコン等々がインターネットに接続されるようになり、例えばドアホンの監視カメラ画像がクラウド上で保存されるようになったりすると、データ量は爆発的に増えることは容易に想像できます。
指数関数的に取り扱うデータ量が増えていったとき、今まではCPU処理速度やメモリ容量、HDD容量などのハード性能が上がったことで賄っていた部分がそろそろ技術的限界が見え始めているところもあって大きな性能向上が見込めなくなったとすると、供給と需要の関係がかなり厳しい状況になるのではないかと思います。
ちょうど、第一次産業革命のときに蒸気機関等の機械需要が大幅に高まったときと同様の大きな変化が起こっている状況と思った方が良いのでしょう。いわゆる、第四次産業革命の到来ということになります。
・第一次産業革命:水力や蒸気機関による工場の自動化
・第二次産業革命:電力を用いた大量生産
・第三次産業革命:電子工学や情報技術を用いた一層の自動化
消費者からの視点で見たときに、どう便利になっていくのか、技術的に見たときにこのような需要の高まりに対してどう対応していくのか、非常に興味深いところです。変革ある場所にチャンスがあるということで、面白い変化が生まれるのではないでしょうか。
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