武蔵野市のNTT技術史料館を見学した際に「インターネットのはじまり」というコーナーがありました。黎明期からのインターネットの拡大の様子が展示されています。もともとは、1960年代に、米国国防総省がパケット交換方式による調査・研究用のコンピュータネットワークであるARPANETがインターネットの始まりとされています。その後、ARPANETでは1983年にTCP/IPが導入されました。
NTTの研究所ではTCP/IPを使った所内LAN構築を1984年から開始して、1988年に日米間でTCP/IP接続を成功させました。今からたった三十年ほど前の出来事です。
日米間の接続は武蔵野市のNTT研究所と米国カリフォルニア州のスタンフォード大学との間で実験が行われました。日本で利用されたルーターは米国シスコシステムズ社製だったそうです。
そして、1990年代になりワールドワイドウェブが登場します。こちらが、日本最初のポータルサイトであるNTTホームページです。NTTの研究者により立ち上げられました。私自身、当時、簡易的にWWWを表示することができるブラウザを使って、こちらのサイトを見たことがあります。
今でこそ、パソコンを買ってきて無線LANに接続したり、スマホを使ったりすれば、簡単にインターネットに接続することができるようになりました。しかし、Windows95が発売される前はオペレーティングシステムにTCP/IPへ接続する機能そのものが搭載されていなかったので、環境を構築することが面倒臭かったことを覚えています。
こちらはインターネットタウンページです
なんとなく、HTMLを使って手組で作ったシンプルな感じが漂っています。
当時はまさかここまでインターネットが一般的なものになるとは思ってもみませんでした。
インターネットが一般的なものになったのは商用インターネット接続サービスが始まったことが大きかったと思います。IIJが1993年に日本で最初のインターネット接続サービスを開始しました。当時、ベッコアメというプロバイダに勢いがあったことを覚えています。
そして、1996年にNTTはOCNというサービスを提供開始しました。
インターネットは阪神大震災では安否確認に利用されました。
自宅からアクセスポイントまでの接続は最初はモデムを使っていました。夜中になると定額で電話回線を利用できるようになるテレホーダイというサービスも始まりました。最初はインターネットに利用するというよりも、パソコン通信で利用していました。
その後、ISDNサービスが始まりました。こちらはISDNサービスで利用されていたダイアルアップルーターです。MN128-SOHOという型番で私も使っていました。INSネット64は一回線が64キロなのですが、二回線をまとめて、128キロbpsを出すことができました。懐かしいです。
こちらはアナログ回線で利用していたモデムです。ヒューコム社の商品で、28.8Kbpsまで出せます。
そして、ADSLサービスが始まりました。メタルのアナログ電話回線にデータ信号を冗長させて通信する方式です。当時、1Mbpsを超える通信速度を得られたので、非常に感激しました。
駅前などでソフトバンクはADSLルーターを含む開通キットを無料で配りまくるという衝撃的な販促で話題になりましたが、私自身はNTTのフレッツADSLを利用していました。
そして、光回線の時代がやってきます。
ひかり電話というVOIPサービスが利用できる装置です。
自分が使っていた機器も展示されており、とても懐かしく思いました。ここ30年の歴史の急速な変化には驚くばかりです。
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