以前より、いくつかの自治体で多くの寄付金を集めるために、高額な返礼品を贈るなどして自治体間の競争が過熱している部分がありました。総務省ではこのような状況を打開するために、返礼品の調達価格を寄付額の3割以下にすることなどを自治体に通知していましたが、この通知そのものに強制力が無かったために、通知を守らない自治体もありました。
総務省では「総務相通知に反する」と12の自治体名を公表しています。
・茨城県境町
・岐阜県関市
・静岡県小山町
・滋賀県近江八幡市
・大阪府泉佐野市
・福岡県宗像市
・福岡県上毛町
・佐賀県唐津市
・佐賀県嬉野市
・佐賀県基山町
・佐賀県みやき町
・大分県佐伯市
これらの自治体は6月に実施した意向調査で8月までに返礼品を見直すという回答を得られなかった、平成29年度の受け入れ額が10億円以上の市区町村とのことです。
そこで総務省では通知を守らない自治体に対して、ふるさと納税の対象から外し、寄付をしても税金が控除されないように制度を見直す方針を固めたことがNHKで報道されていました。本見直しに関しては地方税法の改正が必要なため、来年の通常国会に必要な法案を提出する考えとのことです。
ふるさと納税では都市部から地方へ税収が流出していると言われていて、総務省のまとめによると2018年では、
・横浜市 流出額103億円
・名古屋市 60億円
・大阪市 55億円
・川崎市 42億円
・世田谷区 40億円
となっています。もともと、都市部から地方へ税収をまわすことを意図して作った制度ではありますが、この金額の3割以上がモノやサービスとなって個人へ返礼されてしまうことが返礼品競争になってしまうことの問題なのでしょう。ふるさと納税という制度そのものに対する意見も多くあるので、今後の動向が気になるところです。
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