米国の小売り大手であるシアーズ社が10月15日に破産法の適用を申請しました。主に、Amazonなどのネット通販の台頭による来店者数の減少が原因と報道されています。
日本人にとってシアーズというお店がどんな位置づけかが分からなかったので少し調べてみると、世界的には米国、カナダ、メキシコに2248もの拠点を持っている会社なのだそうです。
取り扱っている商品としては、ウィキペディアによれば、衣料品、履物、寝具、家具、ジュエリー、美容製品、電化製品、家庭用品、工具、電子機器、事務用品、文具ということです。日本で言えば、ホームセンターと家電量販店の中間くらいの存在でしょうか。イオンやイトーヨーカドーといった存在に近いという記載もありました。
このシアーズという会社、1886年に創業して、当時急速に発達していた郵便や鉄道というネットワークを使って、物流ネットワークが整っていなかった農村の需要を開拓しました。インターネットが発達してAmazonが業績を伸ばしたのと同じようなことを130年以上前に実施していたことになります。
そのようなイノベーションを起こしてきた会社がインターネットの普及の波に乗り遅れたことは、とても残念なことです。
2017年には玩具量販店であるトイザらスが破産申請して事業の継続を模索していましたが、買い手が見つからずに米国事業の清算に追い込まれました。なお、日本法人はその後も営業を継続しています。
最近では日本でも百貨店が苦しい状況が続いていますし、これから先では大手の量販店もネット通販の台頭により、厳しい環境が続くのかもしれません。
ただ、本物の商品を見ることができる環境が失われていって、実物を全くみないでネット通販だけで購入するのも限界があるような気がします。
実物が見られない代わりに、商品に対するレビューといった形で参考になる情報を公開していますが、衣類など個人との相性があるような商品は評判だけで購入するわけにもいかないものもあります。
Amazonは無人コンビニのような形でリアルな店舗にも目を向け始めていますが、どんな形で小売店が再編成されていくのか、気になるところです。
【2018/11/15追記】
日経ビジネスのサイトを読んでいると、シアーズが潰れた原因はAmazonが原因ではないとする記事がありました。一言で言えば、買い物客がシアーズやKマートに行きたくなくなったからだと要約されています。会員限定記事でしたので、中身が読むことができていないのですが、気になる内容です。
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