朝日のアエラドットコムのを読んでいると、Amazonに関する興味深い記事がありました。創業者のジェフベゾス氏がパワポを嫌っているとのことで、社内の会議では文章主義を通しているとのことです。
会議は原則1時間以内として、最初の20分間はドキュメントを個々が読む時間に充てるルールが徹底しているということでした。
私自身は一太郎世代なので、文書として完結していることが大切なのは理解できるのですが、会議時間60分のうち、最初の20分間を黙読の時間に充てるのは理解できませんでした。
人によって理解にかかる時間に差がありますので、会議で使うドキュメントは事前配布にして、各自自分なりに内容を熟読して、その文書に関する自分なりの意見を熟考し、会議にのぞむべきだと思います。
それでは、事前に資料を読んでこないメンバーがいたらどうするのか?という話になりますが、極論すれば、そのような人は会議のメンバーから外した方が良いのでしょう。
また、パワポか文章かという議論も表面的な話で、問題はそのドキュメントを書くことの前提として、課題認識が的を射ているか?、その課題に関して、どんな基本的な考え方で対応しているのか?を最初に簡潔に述べているかどうかが大切です。
昔、手書きでドキュメントを作っているときは、考えながら文書を作ると手戻りが大きくなってしまうので、書く前に自分が何を言いたいのか必至に考えて、それから文書を起こしていました。
ところが今はワープロで簡単に修正ができてしまうので、考えながら文書を書くことによって、「あーでもない、こーでもない」と展開するようなドキュメントが増えたと思います。そういう文書に限って、結局、何を言いたいのかが分からなくなってしまいます。
文書を作るツールに関しては、手元に紙で配る文書であれば、パワポでもワードでもどちらでも良いし、プロジェクタで照射するのであればパワポにすれば良いだけの話だと思います。
この記事の中に「枚数制限を6枚にする」というルールが紹介されていましたが、このルールに関しては賛成です。文書をたくさん作るのは簡単ですが、限られた紙面で相手に理解してもらうことは難しいです。より思考が洗練されて良い文書にできる可能性があります。
以前、A3の1枚に課題、結論、課題、対策、歯止め等をまとめることをルールにした職場にいました。これは全体の見通しがとても良く、しかも紙面が限られていましたので、それだけ効率化につながっていたと思います。
今でも、会社の経営層の会議に付議するドキュメントは枚数制限をかけている会社が多いでしょう。
昔、文書を作ったときに、「いったいどんな考え方なのか全く分からない」と何度も先輩社員から指導を受けたことがあります。枝葉の話はどうでも良くて、木の幹の部分、骨格の論理をきちんと示さないと、会議の出席メンバーに共通の理解が得られないので、議論が発散することからの指導です。今はそんなことをしっかりと叩き込んでくれるような上司が減ってきていると思いますので、このような指導が出来る人は会社としても大切にしないといけないと思うことが多々あります。
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