2018年が終わりに近づくのに従って、各自治体の返礼品争いが激化したように思います。総務省からの通達を無視して、高額の返礼品をラインナップしたり、Amazonギフト券、日本旅行の旅行券、HIS旅行券、近畿日本ツーリスト旅行券、VISAの商品券など、換金性が高い商品も増えていました。
以前も小田原市が地域の魅力を発信するコンテンツを返礼品に加えて、そのコンテンツを見るための手段としてiPadを付けていたことがありました。もちろん、そのふるさと納税に応募する人はコンテンツよりもiPadがほしくて応募している人が多いと思うのですが、自治体としては何らかの形で自治体との関連づけをしていたことになります。
ただ、ギフトカードや旅行券になってしまうと、「ぜひ、その自治体の特産品を買おう!」とか、「その自治体に旅行券を使って行こう」とアピールしても少々の無理があります。やはり総務省としては看過できない状況になっていたと言えるでしょう。
総務省は法律を改正して、ルールに従っていない自治体は次年度のふるさと納税制度に参加できなくするような仕組みに変えようとしています。
これらの自治体は総務省の方でもリストアップして公開しています。これらの自治体が罰則が強化される2019年からどのような動きに転じるのかが気になります。
【2019年1月8日追記】
2019年になってから、換金性の高い返礼品を提示する自治体の数が大きく減りました。今でもあるのは、旅行券に関しては、和歌山県高野町の日本旅行の旅行券に限られるようです。
【2019/01/11追記】
静岡県の小山町でAmazonギフト券をふるさと納税の返礼品として準備したのが人気となり、昨年は小山町のふるさと納税額が249億円にも達したという報道がありました。人気になった理由は納税額の4割分のギフト券が貰えるという割合の多さと、Amazonの多彩な商品から選ぶことができるという利便性の良さです。小山町では昨年に比べるとふるさと納税額が約9倍に激増したそうです。
小山町としてはこれだけの税収が増えれば予算を組みやすくなるのは間違えありませんが、今年以降は総務省による規制も厳しくなって同様のことはできなくなります。箱物などを増やして今年以降の保守運営費が毎年かかるような状況になると来年以降の予算を圧迫するので、どんな使い方をするのかも気になるところです。
【2019/01/12追記】
今日は石田総務大臣が厳しい口調で批判したことを紹介する記事がありました。
静岡県小山町のAmazonギフト券を返礼品に揃えて巨額のふるさと納税を獲得したことに対して、「決して良識ある行動とは思えませんね、はっきり申し上げて」 と発言したとのことです。
特に石田大臣は「返礼品は寄付額の3割以下の地場産品」という基準に反していることを問題視しています。
今後、総務省としては、基準を守らない自治体をふるさと納税の制度から外す改正案を通常国会に提出します。この審議の状況にもよりますが返礼品競争は急速に収まっていくものと思います。
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